第5話 【もう迷わない】
それから2ヶ月、私はまだ結論を出せずにいた。
『私、何がしたいんだろう?』
オジサンが帰った後、自分の部屋に戻った私は、改めて自分を振り返る。
考えてみれば私には、はっきりした目標や、やりたい事が無かった。
勉強に身が入らなかったのも、そのせいだ。
それでもAクラスメイジなら、成績が悪くても魔法大学に推薦してくれるだろうと勝手に思い込んでいた。
だから将来の事は大学に入ってから決めればいいと先延ばしにしていた。
けど、現実はそんなに甘くなかった。
それにしてもアタシは昔からやりたい事が無かったんだろうか?・・・待てよ。
私は急いで小学校の卒業アルバムを引っ張り出す。
そこには小学生の私が書いた「将来の夢」が書かれていた。
『せいぎの味方』
プッ、なにこれ、『せいぎの味方』だって、バカじゃん、アタシ・・・
私は声を出して笑ってしまう。
すっかり忘れてた。アタシ、オジサンと同じ事を言ってる。バッカみたい。超ウケル。
笑いながら、なぜか涙があふれて来た。
開かれたままの卒業アルバムに涙がポトポト落ちる。
そして涙が止まった時、私はスッキリと晴れやかな気持ちになっていた。
今までずっと迷っていた自分がウソのようだ。
『正義の味方、面白いじゃない。』
私は自分のほっぺたを両手でバチンと叩いてからリビングに戻ると、ママに宣言した。
「ママ、心配かけてごめん。アタシ、やりたい事あったよ。」
第5部・了




