第4話 【オジサンとママ】
その後、オジサンからは何の連絡も無かった。
そして1週間後、あの話はタチの悪い冗談ではないのかと思い始めた頃、学校から帰宅すると、ママがニコニコしながら玄関まで来てアタシを出迎える。
「レイナ、就職おめでとう!」
「ハ?ママ、何言ってるの?」
「いいから!早く入りなさい。」
ママに促されてリビングに入ったアタシは、驚きのあまり思わず大声を上げる。
「オジサン!何で家にいるわけ?」
「お帰り」
オジサンは当たり前のように挨拶してくる。
「もう、何で言ってくれないのよ!レイナ。事情は全部タナカ所長先生から伺ったから。全く、こんないい話を隠しておくなんて、アンタも水くさいわね。」
一回会っただけで、ママはすっかりオジサンの味方になっていた。
「ああ、本当に安心した。これで御近所や親戚に顔向け出来る。」
「アタシ別に何も決めてないからね!ママ」
「レイナ、魔法大学への進学は無くなったのよ!卒業まで半年も無いって分かってる!?」
「そんなの分かってるよ!アタシだって何も考えてない訳じゃない。」
「じゃあ卒業したらどうするつもり!?」
「まあまあお母さん、娘さんを追い詰めすぎても、かえって決められなくなるものです。」
「でも・・・」
「レイナ君、新型艦の進水は再来年の予定だから、まだ時間はある。君自身の将来を左右する問題だ。じっくり考えて結論を出してくれ。」
「じっくり考えた結果、もう結論は出ました。」
「それはママの結論でしょ!何でママが即答するかな?」
「アンタがグズグズしてるから、私が決めてあげたんじゃない。感謝しなさい!」
母よ、娘の意思は完全無視ですか?
それから2ヶ月、アタシはまだ結論を出せずにいた。




