第2話 【スカウト】
2ヶ月前、高3の9月
夏休み明けに発表された魔法大学への内部推薦者リストにアタシの名前は無かった。
理由は自分でも分かってる。人並み以上の基礎魔力値を持ちながら、一般教科の成績が悪すぎたのが原因だ。
三者面談の席で担任は感心したように「センジュさん、Aクラスメイジが魔法大学への推薦に漏れたのは、恐らく娘さんが初めてのケースです」などと、余計な事を言ってくれる。
あまりの不名誉にブチ切れたママは、家に帰ると半狂乱でアタシと大喧嘩。おかげで今も冷戦続行中だ。
そんな時に現れたのがオジサン、そう、タナカリュウイチだ。
三者面談の1週間後、アタシは突然進路指導室に呼び出された。
呼び出された理由が分からないアタシが恐る恐る進路指導室に入ると、そこには見た事ないオジサンが待っていた。
オジサンは簡単に自己紹介を済ませると、いきなりアタシに言い放つ。
「センジュレイナ君、突然だが、私は君をスカウトしに来た。」
「スカウトって・・・オジサンもしかして水商売の人?」
「違う違う」
「まさか芸能界?」
「それも違うな」
「じゃあ何のスカウト?」
「正式には特別職の国家公務員だな。」
「公務員・・・何だ、普通の仕事か。」
「いや、そうでもないぞ。私が紹介する仕事場は潜水艦、君の肩書は海軍少尉になる。
そうだな・・・分かりやすく言えば、正義の味方だ。」




