第14話 【生還】
午後6時、エアフォースワンの最終降下が開始された。
既に日没が近い。
燃料が残ったままでの着陸は危険だが、これ以上遅らせる事は出来なかった。
エアフォースワンはシオリの意思に従い、矩形のトラフィックパターンを保っている。
ライアン機長は速度を下げる事で機体をゆっくりと降下させる。
グラスコクピットに表示されたトラフィックパターンのアップウィンドレグはパールハーバー・ヒッカム統合基地の滑走路を見事に捉えている。
『これなら行ける』
自信を取り戻したライアン機長は、いつものように着陸準備に取り掛かる。
グラスコクピットの対地高度が1000ftを示したところで、ライアン機長が副操縦士に指示を出す。
「チェックエアスピード、ギアダウン」
副操縦士は指示を復唱すると速度が基準以下である事を確認し、ギアダウンを実施する。
対地高度600ftでベースレグを通過したエアフォースワンは左に旋回し、いよいよ滑走路へのファイナルレグに進入する。
対地高度は既に150ftを切っていた。
滑走路が目前に迫ってくる。
ライアン機長はエアフォースワンのエンジン出力を絞りながら慎重にタッチダウンさせていく。
間もなくガツンという衝撃音と共に、メインギアの車輪が滑走路を捉える。
着地したエアフォースワンのスポイラーと車輪のブレーキが動作し、機体の速度が下がっていく。
さらに機長はスラストリバーサー・レバーを引いて逆噴射をかける事で、機体の速度は急激に低下する。
ハワイ時間、午後6時15分
ついに機体は完全に停止し、エアフォースワンは定刻より4時間45分遅れて、日没寸前のパールハーバー・ヒッカム統合基地に着陸した。




