第13話 【降下開始】
ライアン機長はパールハーバー・ヒッカム統合基地の管制とライト中尉に目標高度を伝えると降下を開始する。
20分後、エアフォースワンはついに目的地であるパールハーバー・ヒッカム統合基地の上空に到着した。
機体の高度は、予定通り3000ftまで降下している。
目的地への到着を確認したシオリがライト中尉に話しかける。
「ライト中尉、これからエアフォースワンは旋回飛行に戻る。」
「了解、エアフォースワンに伝えます。」
ライト中尉の連絡が済むと、シオリはエアフォースワンの進行方向に再び介入し、エアフォースワンはパールハーバー・ヒッカム統合基地の上空で旋回飛行を始める。
「エアフォースワン、次の指示があるまで、そのまま待機願います。」
「了解、高度そのままで待機します。」
シオリはライト中尉を通じてエアフォースワンに待機を指示すると、次いで自機の着陸を指示する。
「ライト中尉、私達が先に着陸する。」
「了解、当機はこれよりパールハーバー・ヒッカム統合基地に着陸します。」
F/A-18F スーパーホーネットはエアフォースワンに別れを告げると、着陸のため一気に高度を下げてゆく。
10分後、一足先にパールハーバー・ヒッカム統合基地に着陸したF/A-18Fのキャノピーが開き、シオリはヘルメットのバイザー越しに上空の一点を見つめる。
彼女の視点の先には旋回飛行するエアフォースワンの姿があった。
シオリは、エアフォースワンを見つめながら進行方法を操作し、円形の旋回飛行から、着陸に適した矩形のトラフィックパターンに変更する。
『よし、上手くいった。』
シオリは心の中でつぶやくと、ライト中尉に指示する。
「エアフォースワンの降下を許可する。」
「了解、エアフォースワンに伝えます。」
パールハーバー・ヒッカム統合基地にはILSが装備されており、通常であれば計器による着陸が可能である。
しかし今回は魔法で制御された航空機の着陸という前代未聞の着陸方法になるため、当然ILSは使えない。
パイロットの目視による手動着陸を行う必要があった。
ライト中尉からの降下許可を受けたライアン機長は、パールハーバー・ヒッカム統合基地の管制に連絡した後、緊張した面持ちで言葉を発する。
「降下開始!」
救出作戦は最後の山場を迎えようとしていた。




