第9話 【出撃命令】
大統領へのブリーフィングを終え、指揮所を出たタナカ少将は艦橋に移動すると、ノース司令官に対して艦載機の提供を要請する。
「ノース司令、エアフォースワンの状況監視と救出のサポートをするため、我々にF/A-18Fとパイロットを提供して頂きたい。
私の隣にいるヤマモト少尉が F/A-18Fに同乗し、任務に就きます。」
タナカ少将はシオリの本名を隠し、「ヤマモト少尉」という偽名でノース司令に紹介した。
「分かりました。国防総省からは、あなた方に全面的な協力を行う様、指示を受けています。
戦闘機は直ぐに用意しましょう。
飛行の目的が監視とサポートであれば、F/A-18Fに兵装は不要ですね。」
「不要です。ただしパイロットについては日本語が話せる人が望ましいのですが、誰か適任者はいますか?」
「適任者・・・、誰か日本語が話せるパイロットを知らないか?」
ノース司令は大声で艦橋内の乗組員に質問する。
すぐに一人の男性乗組員が、質問に答える。
「第102戦闘攻撃飛行隊に所属するトーマス・ライト中尉の奥さんが、確か日本人だったはずです。」
「ライト中尉を今すぐ呼び出せ」
10分後、ライト中尉が艦橋に到着した。
彼はノース司令に早足で近付くと敬礼する。
「お呼びでしょうか、将軍」
ノース司令は答礼すると、一切の前置きなしで確認する。
「ライト中尉、早速だが君は日本語を話す事が出来るか?」
「妻が日本人なので、日常会話に支障はありません。」
ライト中尉の答えを聞いたノース司令は、タナカ少将に目線を向けると、タナカ少将は無言で頷く。
ノース司令は、ライト中尉に向き直ると、改まった口調で命令を伝える。
「ライト中尉、今から君には特別な任務に就いてもらう。
私の右隣にいるヤマモト少尉と一緒に、F/A-18Fで直ちに出撃してくれ。
目標はハワイ上空を飛行するエアフォースワンだ。
エアフォースワンを補足したら、そこから先はヤマモト少尉の指示に従って行動せよ、以上だ。」
「アイ!サー」




