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魔法潜水艦オシリス  作者: 天空ヒカル
第4部 高度38,000フィートの陰謀
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第8話 【ライアン機長の決意】

午後4時


タナカ少将とシオリが空母ロナルド・レーガンの艦橋(かんきょう)に戻った時には、大統領の指示は国防総省(ペンタゴン)を経由して正式に第5空母(くうぼ)打撃群(だげきぐん)全体に伝わっていた。


ノース指令は彼らのために、艦橋(かんきょう)のすぐ近くに救出作戦のための臨時指揮所を用意してくれていた。


タナカ少将は案内された指揮所に入ると、直ちに作戦の概要(がいよう)をヒューム大統領に報告する。


「先程申し上げた通り、オシリスは航空機をコントロールする事が可能ですが、船舶(せんぱく)と異なり、オシリスだけでコントロールを行う事は出来ません。

戦闘機によるエアフォースワンの監視とサポートが必要です。」


この説明は真実ではない。

実際には、シオリが乗っていないオシリスは全く無力である。


ハルカワシオリの秘密を(まも)るため、エアフォースワンをコントロールするのは、あくまでもオシリスであるとアメリカ側に思わせる必要があった。

要するにシオリの秘密を(まも)るための苦肉の策である。


「大統領、進行方向の制御はオシリスが行いますので、実際の着陸はエアフォースワンの機長に行って頂きます。」


「ライアン機長、聞いての通りだ。君を信頼している。頼むぞ。」


「最善を尽くします、大統領。」


ライアン機長は飛行時間が1万時間を超えるベテランパイロットである。


そんな彼であっても、自機(じき)の進行方向の制御を魔法に(ゆだ)ねるのは初めての経験だ。

当然の事ながら、不安が無いわけではない。


だがもはや、ライアン機長に別の選択肢は残されていない。

このままでは墜落(ついらく)を待つしか無いのだ。

乗員乗客の命を預かる機長として、ここで逃げるわけにはいかなかった。


『必ず成功させる』


これが生きて帰るための唯一のチャンスである事を(さと)ったライアン機長は強く決意を固めるのであった。

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