番外編 Part2 オシリスで一番偉い人(エクストリームクッキング編)
『まあ、無難なところでカレーですね』
オシリスのキッチン内、普段はカナエの指定席である丸椅子に座りながら、ミキは夕食のプランを固めていた。
メニューは比較的簡単に決まったものの、そこから先はミキにとって未知の世界である。
オシリスの艦内データベースから得た、料理に関する情報を確認しつつ、ミキは首をかしげる。
『ボイル?フランベ?・・・意味不明な単語が多いわね』
『とにかくカレーって言うからには、カレー粉が必要なはず・・・』
ミキはまずカレー粉を探し始める。
『多分これよね・・・?粉じゃないけど、色がカレーっぽい』
調味料棚から固形のカレールーを発見したミキは、水を入れただけで沸騰させていない鍋にルーを丸ごと投入し、鍋の加熱を始める。
『何の変化も無いけど、大丈夫なのかしら?』
鍋の状態に若干の不安を感じつつも、ミキはとりあえず先に進む事にする。
『肉は・・・あった、これだ』
冷凍庫で肉を発見したミキは、早くも障害にブチ当たる。
『何これ?カチカチで切れないじゃない!』
そもそもミキに自然解凍という知識は存在しない。
『仕方ない、先に暖めてから切るか・・・』
そう考えたミキは、冷凍された肉をそのまま鍋に投入する。
「次は野菜ね・・・」
そう言うとミキは取り出した野菜を、皮もむかずにザクザク切り始める。
もちろん事前に洗ったりなどしない。
『うわっ、何これ、目が痛い!』
玉ネギを切り始めたミキは、突然の目の痛みにびっくりする。
涙を流しながら玉ネギのカットに悪戦苦闘していたミキが、人の気配を感じて鍋を見ると、彼女は信じられない光景を目にする。
いつの間にかキッチンに入り込んだレイナが、鍋に大量の砂糖をドバドバ投入しているではないか!
「センジュレイナ!!一体何をやっているんですか!?」
「隠し味だよ、隠し味」
「隠し味って・・・それはどう考えても入れすぎでしょう!」
「チェッ、分かったよ、調整すればいいんだろ」
レイナはそう言うと、砂糖の代わりに今度は大量の塩をドバドバ投入し始める。
「アァッ、何て事を!」
レイナの行為を力ずくで止めようとしたミキを避けようとした拍子に、レイナの手元が狂い、持っていた塩が袋ごと鍋に落下してゆく。
「あっ・・・」
ボチャン
「ギャー!!」
レイナとミキ、2人の悲鳴がキッチンにこだました。




