第15話 【カナエの本心】
その日の夕方、帰宅しようとしていたユウキに声をかけたのはコザクラカナエだ。
ユウキはコザクラカナエという人物について、彼女がとても明るく親切な女性である事を理解している。
実際カナエは、本当の家族のようにシオリに接してくれていた。
ユウキは、毎日身近でシオリを支え続けるカナエに心から感謝している。
だからこそ、ユウキはカナエの本心が知りたいと願っていた。
「ユウキ君、いつもありがとね。ユウキ君が来る日は、シオリちゃんはいつも嬉しそうなんだ」
「でも、シオリは我慢している。本当は外に出たいのに、自由になりたいのに!
どうしてシオリを閉じ込めておくんです?カナエさんは何とも思わないんですか!?」
カナエの表情から笑顔が消え、そのまま沈黙してしまう。
しばらくしてカナエは、やっと言葉を絞り出す。
「・・・そうだよ、私もシオリちゃんを閉じ込めている仲間。
シオリちゃん、自分が家に帰れないって分かった時でも、泣いたり怒ったりとか全然しなかったそうよ。
それを聞いた時、私はたまらない気持ちだった。
自分が逆の立場だったら、絶対にそんな真似は出来ないもの。
本当に強い子だわ。
だからシオリちゃんがユウキ君に会いたいって言った時、私は本当に嬉しかった。
彼女が初めて示した自分の意思だったから。
彼女が我慢している事くらい、私にも分かるよ。
だから少しは私にわがままを言ったり、当たったりしてくれても構わないのに、シオリちゃんはそういう事が嫌いなのね。
ユウキ君が怒るの、当然だよ。役に立てなくて本当にごめんね」
カナエの目は悲しみに満ちている。
「私だって何とかしたいよ。私だって、出来るなら・・・」




