黒魔術編5
それから組織間での情報交換が行なわれた。
魔法学園、分析業務、水影家の三グループが話し合い、情報共有できるものは積極的に行うことになった。魔法学園と水影家は、分析業務をかなり信頼していたため、スムーズに交流することができた。
魔術団体フルムーンに動きはなかった。
それから数日経ち、ミイナが動く。
朝、リサとふみが魔法学園に向かう途中に声をかけられる。
「リサ」
すでにリサはその方向を向いていた。
「お待ちしておりました。ミイナ」
ミイナの格好は、とりあえずはフルムーンではなかったものの、攻撃的な印象は払拭できていなかった。
「お前の、いやリサのもとで、働かせて欲しい!」
勇気を持って言ったにも関わらず、リサは全然聞いていないようだった。
「ちょっとミイナ。もう少しおとなしい変装に出来なかったんですか?」
「え」
ふみもミイナの周りを行き来して様子を見ていた。
「なんか怖いですよね。雰囲気が」
「そ、そうか?」
リサが少し悩んだが、ふみに問いかけた。
「悪いけどふみ。変装のやりなおしをお願いしたいのですがいいでしょうか。リサにも協力させますので」
「それは構いませんよ。じゃあ、ミイナとお店に行きますね」
二人の会話にミイナが割り込む。
「これじゃダメなのか?」
「ダメですよ、周りの人には威圧感があると思います」
「そうかあ?」
「ほら、見て下さい。リサが怯えてます」
ミイナがふみの後ろを見ると、リサが隠れるようにしてこちらを見ていた。
「ちょっと! どういうこと? こいつ何してるの?」
「今のリサは外見と同じくらいの年齢の女の子です。佐々野暁斗じゃありません」
「ええー?」
完成したミイナは、現地の田舎娘そのものに出来上がっていた。
「かわいい!」
リサの評価も大分良いようだった。
「少なくとも裏組織の人間には絶対に見えませんよ。これで元フルムーンだってわかったら、そいつが変態だってことになります」
ふみが笑顔で言った。
「それなら私は構わないが、結構恥ずかしいんだが」
「かわいい!」
リサには好評だった。
町を歩きながらミイナが二人に問いかけた。
「それで私に何をさせたい」
すぐふみが佐々野暁斗になり反応する。
「今から魔法学園に行きます」
それを聞いたミイナが歩みを止める。
「どうしました?」
「・・・」
無言だったため、ふみが代わりに答えた。
「さすがにミイナは怖いんだと思いますけど」
「そのための変装です。今のミイナなら、誰もあなただと気が付きませんよ」
「う、うん。それなら」
ミイナはかなり怯えていた。
だが勇気を出して承諾することとした。
「しかし、学園長とセフィアには、ミイナ本人として会ってもらいます」
「それは!」
すぐ下を向く。
「怖いですか?」
リサが問いかける。
「あんたは私がセフィアに何をしてきたのか知らないんだ。ただの嫌がらせに近いが、あいつらの仲間を何人も怪我させてきている。そんな私が、よりによって学園長とセフィアに会ったらただじゃ済まない」
「ですが今のあなたはフルムーン所属じゃない。私とふみのlayer1保護下なので、魔法学園でさえ手を出せません」
「それ、本当なのか? 嘘で言ってるんじゃないよな?」
「嘘か本当か証明する手段はありませんが、嘘を言ってまであなたに変装なんて面倒なことをさせますか? あなたを殴って取り押さえて、学園長に殺してくれって頼めばいい話じゃないですか」
「・・・わかった」
リサがミイナとふみの二人に向かって話した。
「ミイナにやってもらいたいことは二つ。一つは魔法学園にフルムーンの事を話す。いまのミイナには抵抗ないでしょう? もう組織があなたを裏切ったんですから。そしてもう一つは、あなたの黒魔術を教えて欲しい人たちがいます。あなたの能力が期待されています」
「教えて欲しい? 魔法学園の連中にか?」
「いいえ。私の仲間です。あなたに恨みなんて持っていない、すごくいい人たちですよ」
「うん、それなら」
ミイナの不安そうな表情は晴れることはなかった。
魔法学園の正門前で三人は待った。
「さすがに事前連絡もなしにミイナを敷地内に入れたら怒られると思いますので」
リサが言った。
やがて門の前に学園長とセフィアが走ってやってきた。
「ど、どうしました?」
学園長が言った。
後ろにはセフィアもいたため、ミイナが緊張してしまっていた。
「お二人に紹介したいのですが、この方に見覚えはありません?」
リサが言う。
学園長とセフィアがジロジロと見るが、雰囲気がまるで違っているため気が付いていなかった。
「ごめんなさい。どこかでお会いしましたか?」
ミイナが顔をそむける。
「この子はlayer1で保護させてもらいました。元フルムーンのミイナです。私と戦った、あの黒魔術使いです」
学園長とセフィアの顔が固まる。気持ちだけが戦闘態勢に入ったのがわかった。
「どういうことでしょうか」
学園長が話しかける。
話し方が非常に緊張していた様子だった。
「この子はフルムーンに追い出されて殺されそうになった。だから私たちで保護しました。本日学園長とセフィアの元に連れてきたのは、現状のフルムーンについての情報共有をさせるため。どうかわかっていただきたいと思います」
学園長とセフィアが顔を見合わせる。
一同は魔法学園の敷地内にある特別な会議室に居た。そこは内部の人たちすら自由に入れず、盗み聞きなどの考慮がされている特殊な場所であった。
本来、ミイナを魔法学園の敷地内に上げることは許したくない。だがリサとふみの保護の元で、特別に許可する形となった。ひとまずミイナは安心していた。
その会議室で、ミイナとの平和的な話し合いが行なわれた。
「エロサイト!?」
一同が声を上げる。
学園長とセフィアは非常に驚いており、リサとふみまでもがあっけにとられていた。
「そうだ。本当に知らないのか? これって私たちどころか裏組織の連中には本当に有名な話なんだが」
ミイナが驚いて答えた。
「それでは、黒魔術の経典は魔法学園から盗んだものではなく、インターネットでダウンロードしたと?」
リサが問いかけた。
「そう聞いている。私はインターネットと言うものが何なのか詳しく知らない。でも一時期は誰でも手に入ったらしいと聞いた。今ではどういうわけか手に入らなくなっているようだが」
「学園長は知っていましたか?」
リサが今度は学園長に聞いた。
「知らない。全然知らない。なぜエロサイトなんだ? どういう仕組みなんだ?」
その辺りはふみに心当たりがあったため話しかけた。
「ちょっと前に話題になったんですけど、エッチなサイトなんか見てると、悪意のある人が作ったページに行ってしまうことがあるんだそうです。そうなると、その人のパソコンにある個人的なデータが全部公開されてしまうことがあるって」
「はあ、そうなのか」
今度はセフィアが驚いていた。
学園長が少し悩んで言った。
「これはあまり言ってほしくないことなんだが、魔術の本は経年劣化が激しくてな。国の協力の下に本を電子データにすると言うプロジェクトが進行しているんだ」
「あ、そうなんですか。ではその方面で流出が?」
リサが質問した。
「そうとしか考えられないが、少なくとも私にはそんな事故の情報は入ってきていない。セフィアは知っているか?」
「いえ、私も知りません」
三人が悩んでいる所で、ふみが問いかけた。
「と言うことは、ミイナは黒魔術を全部使えると言うことでしょうか」
「いや使えない。そもそも流出したのは概要のページと、攻撃に関する一部のみ。セフィアを昏睡にさせたのもその攻撃のページにあるやつで、コピーは私も見たことがある。セフィアのような専門家と比べたら、私たちが使える黒魔術なんてほんの一部のみだ。フルムーンはその事実を隠したがっているようだが、エロサイトでの流出なんてみんな知っているもんだとばっかり思ってた」
「なんてこと。古典魔術ばかりに囚われず、最新の工業技術にも精通する必要があったとは」
セフィアがかなりショックを受けているようだった。
「私の方から調査しましょうか?」
リサが学園長に言った。
「layer1の方に私たちの組織の失態を知られるだなんて、お恥ずかしい限りです。リサの手を煩わせる前に、私たちの方から国に問い合わせようと思います」
「わかりました」
魔法学園の校庭と呼ばれる場所には、水影家三人と黒魔術使いのクリス、マリアが居た。
そこにリサ、ふみ、ミイナの三人がやって来た。
「マリア、クリス」
リサが問いかける。
「どうしました?」
「セフィアと相談しましたが、マリアとクリスは対黒魔術組織の方に回ってもらおうかと。代わりに、ここにいるミイナが黒魔術を水影家に教えることになります」
「え! 私たち以外にも黒魔術を使える人がいたんですか?」
クリスが驚いて声を上げる。
ミイナは緊張していたものの、リサはなんともなしに答えた。
「ええ。ミイナはセフィアもよく知ってる人です。ただ、黒魔術を全部使えるわけではないので、場合によってはまたマリアとクリスにお願いすることになるかもしれません」
「ミイナって」
クリスが感づいたようで、動きを止めてしまった。
すぐリサが話しかける。
「気が付きましたか。そうですよね、ふみと一緒に居たんですから。事情がありますしセフィアの了解も取っています。学園内では絶対に秘密にして下さい。ただし、クリスはマリアにだけは言っても構いません」
「セフィアに確認をとっても構いませんね?」
「ええ、学園長とセフィアのどちらでもいいので、至急確認を取って下さい」
「了解しました」
二人がセフィアのもとに帰っていく。
水影家三人とミイナの自己紹介を行い、黒魔術の教育が始まった。
その様子を、リサとふみは遠くからながめていた。
「なんか終わりが見えてきませんね」
ふみが言った。
「一応考えているのは、フルムーンは軍隊の協力の下に力で潰してしまって、それで終わろうかと思っていました。今回の問題って、国の電子化作業にて資料が流出したことが原因だと思うのです。だから国と魔法学園に再発防止策でも何でもいいから天使が納得しそうな資料をlayer1宛に提示させて終わるのがいいのかと」
「うーん、そうですねー」
ふみが悩んでいたが、それ以外に案は思い浮かばなかった。
「地獄地蔵長に機動隊を一つ借りることができそうなので、ダイレクトに潰してしまうことを考えています。だから悪魔と天使への応援要請は無し。分析業務もまた次の機会へ。実は個人的な一番の目的って、水影家と魔法学園を会わせることだったんです。だから後はどうなってもいいかなって」
リサが笑顔でふみに言った。
「でも根本的な解決にはなってないんですよね。流出した資料がある以上、黒魔術使いは今後も現われる可能性はありますし」
「だからこそ水影家の四式です。中級程度の魔女に四式を教えることはそれほど難しく無いはずですので、これから黒魔術師が攻めてきても、防御はだいぶ楽になります。見返りとして、魔法学園が水影家に黒魔術を教える。水影家はlayer1の監督のもと機密契約を結ばせる。ちゃんと両組織はそれで納得できています」
「黒魔術を教えるじゃダメだったんですか?」
「それでもいいと思いますよ。本来であればセフィアが魔法学園の人たちに黒魔術を教えれば済む話。でもあえて霊能力という、黒魔術ではない術式を教えることによって、黒魔術と言う禁術の立場を守り、そして水影家との繋がりを作る。ただそれだけの理由です。意味がないと言えばそのとおり、私たちのやっていることは全く意味がないのかもしれません」
ふみが少し考えていたようだが、笑顔でリサに言った。
「じゃあ終わりの方向で進めましょうか」
何日か経過すると、水影家は魔法学園の人たちと大分仲良くなっていた。
だが水影家三人は性格の違いか、見事に別方面の人たちと交流していた。
和彦当主はセフィアと、誠司は魔法研究員と、恵子は魔法少女たちとよく話していた。
昼になり、魔法学園の食堂に、恵子とミイナが二人で来ていた。
「じゃあミイナは魂の操作みたいなことは全然知らないんだ」
恵子が話した。
「ええ。私は魔法学園出身で、さらに黒魔術も一部使えるが、どこを見ても魂に関係することは出てこなかった」
「不思議ですねー」
「そうだな」
ミイナが少し落ち込んだようにつぶやいた。
「興味ありますか?」
「興味? 無いよ」
「でも私の国の話を聞くのって好きですよね?」
「うん、私は魔法学園周辺にしかいたことがないからね」
「私の国に来ますか?」
「え!?」
恵子がミイナの顔を見て話す。
ミイナが恵子の顔をじっくりと見る。だが恵子が本気で言っているものかどうか、表情では全然分からなかった。
「はは、今度行くよ」
「私の国では霊能力者が非常に足りなくて困っています。あんまりにも霊能力者が足りないので、水影家と南野家が手を組んで色々やり始めるまでになってしまいました」
「はあ、大変なんだね」
「ミイナは帰る場所がないのでしょう?」
その発言にミイナは驚いた。
「恵子、お前は知っているのか、私の正体を」
「リサに聞いてます」
「そうか。恵子は優しいんだな」
少し悲しそうにつぶやいた。
「いえ、そうじゃありませんよ。働きたいなら一緒に働きませんか?ってことです。ミイナならきっと良い霊能力者になれます。当主も歓迎してくれるんじゃないかなって」
「考えておくよ」
それから無言で昼食を食べ終える。
帰ろうと二人が立ち上がったときだった。
恵子がミイナの両手を掴み、顔を見て話した。
「復讐なんてやめて、私の国に来て下さい。歓迎しますから」
「え、えっと」
ミイナは恵子から視線を外してしまった。
場所は魔法学園内の魔法研究所。
少女たちが魔術を習得する魔法学校に隣接し、魔術を調査している研究機関の建物があった。
「魔術が女性しか使えないのはどうしてなんでしょうか」
誠司が一人の女性研究員と話していた。
「それは単純に生理的な問題から来ています。理由はいろいろあるのですが、魔術を覚える過程においてどうしても女性である必要があるのです。でも、覚えるときに女性であれば、後は男性でも魔法は使えます」
「ははは、途中で性別が変わるだなんて変な話ですけど、暁斗のことですよね?」
誠司と研究員は笑って話していた。
「そうです。私たちはリサが男性の姿を見たことがないのですが、魔法を使っているって聞きましたよ?」
「暁斗が男性の姿で回復魔法を使っているのは、僕たちはちゃんと見ています」
「そうですかー」
誠司は純粋に魔法のことに興味があり、研究員の人たちと話をしていた。
研究員たちも自分たちの研究内容を話すのは楽しいようだった。
「実は男性でも魔術を習得できるプログラムなんてものも開発しようとしています。いまは人が足りなくて手がつけられない状態なんですけどね」
「おもしろそうですね」
そのとき研究室の扉が開く。二人が顔を向けると、リサが入ってきていた。
「誠司は魔法が好きなの?」
「あ、リサ」
研究員がリサに礼をする。
「黒魔術と霊能力が同じだって、本当に面白いと思うんです。じゃあ魔術自体にも霊能力との関係があるんじゃないかって思いまして」
誠司が少し興奮気味に言った。
すぐリサが答える。
「あると思いますよ。私が水影家に四式を習ったことは覚えていますか?」
「え?」
「佐々野暁斗の霊能力が、和彦当主の10倍以上あるって」
「ああ! 覚えていますよ、ってもしかして」
誠司が少し驚いているようだった。
「たぶん、魔法少女であれば、全員が10倍以上あると思うんです」
「そうかも! ちょっと確認してきていいですか?」
誠司が立ち上がって部屋から出ていこうとした。
「いいですけど、魔法少女の体に触りまくったら変態だと思われますよ」
「恵子に任せますから!」
そう言うと誠司が部屋から出ていった。
リサ、ふみ、和彦当主が学園長の部屋に行った。
セフィアも来ており、学園長も含めて三人で話し合いをしていた。
「そろそろ回線をつなぎます」
ふみが言った。
それはlayer1から持ってきている、電話を用いた通信機器であった。
「こちら魔法学園です」
ふみが機械に話しかける。
「はい、こちらは治安維持層・特殊警備です」
「お疲れ様です。私は治安維持層・分析業務担当の瀬戸ふみと申します」
「ああ、layer1の方でしたか。話は聞いています。私は治安維持層・特殊警備担当のホースと申します。魔法学園の件ですね、よろしくお願いいたします」
「はい、こちらこそよろしくお願いいたします」
リサが機械を操作し、消音モードにした。
「すでにお話しているように、機動部隊を用いてフルムーンを壊滅させます。部隊を指示するのは国ではなくlayer1の特殊警備と言う組織になります」
リサが言った。
「よろしくお願いします」
「うまく行けばこれで終わります。ですが、国と魔法学園には報告資料のお願いをすることになると思いますので」
リサが言い、学園長が答えた。
「わかりました。以前にお話されていたものですね。元々はこちら側の不備ですので。本当に申し訳ございませんでした」
「いえ、私としては魔法学園と水影家にコネクションが作れたので良かったと思っています」
それから一同は黙って待った。
結果は良いものではなかった。
魔術団体フルムーンの本部は壊滅。多くの魔術師を逮捕。黒魔術資料も全て押収。だがインディを始めとする幹部たちは既にいなかった。
次の日、一同は学園長室に集まっていた。
そこにはハルトの姿もあった。
「昨日特殊警備による強行により、敵部隊フルムーンは壊滅となりました。よって、魔法学園による救援要請は終了とさせていただきます」
リサが一同に宣言した。
「私たちの不備が原因であり、ご迷惑をおかけしまして本当に申しわけございませんでした。しかし様々な支援をいただき、水影家との交流もできたことを心から感謝しております」
学園長の言葉に、和彦当主が言った。
「私たちは来ただけで活躍はできませんでしたが、また何かありましたら、交流させていただければと思います」
「魔法学園の一同は随分安心することができました。それに霊能力の貴重な知識と経験は、魔術の研究に大きく貢献できると思います。本当にありがとうございました」
そうして一同は解散となる。
リサは学園長とセフィア、ミイナに話をしていた。
「ミイナは水影家で働くことになりましたので、連れて帰ろうかと思います」
リサが言った。
「そうですか。わかりましたが、大丈夫なのですか」
学園長が問いかける。
ミイナが視線をそらして答えた。
「今まで殺さずに活かしてくれてありがとう。特にセフィア。私が居て嫌な思いだったろう。謝りはしないけど、感謝はするよ。恵子に誘われたんだ。とりあえずあっちの国に行ってくる」
後ろから和彦当主が話しかけた。
「実は霊能力者が足りなくてどうしようか困っていたのです。ミイナが仕事に合うかどうかはわかりませんが、とりあえずは試してみようと言うことで連れて帰ります」
さらにリサが補足した。
「出国の手続きとかはlayer1でやってますので」
「まあ、そこはあまり心配していませんが。ミイナは魔法学園出身であると聞いています。色々ありましたが、本学園の生徒であるに違いはありません。今後もよろしくお願いします」
学園長が言った。
ミイナはその言葉が重く感じられ、顔をそむけてしまった。
「あと、セフィアにお願いがあります」
リサが問いかける。
「何でしょう」
「今度、黒魔術を改めて分析業務として分析させていただけないでしょうか。もしかしたら、結構強くお願いすることになるかもしれません。本当に、厚かましいお願いで申しわけないのですが」
「わかりました。ご協力はしたいと思います」
「ありがとうございます」
リサとふみが頭を下げる。
「じゃあまたね」
幼いリサがヘスティアに言った。
「また来てくださいね」
「うん」
その日を持って分析業務は終了となる。
黒魔術組織から魔法学園の攻撃はされなくなっていた。




