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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第一章 住所
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1-9

下道でも行けるとは思ったけど、念の為に麻紀に頼んでナビをセットしてもらった。すると後から順が文句言い出した。


「そんな頼りないナビより、それがしの

高機能GPSを使った方が確実ですですって!まあ、すでにセット完了させてるけど・・・」


ですですって!なんやねん!思わず喉元まで出掛かってるのを必死で堪えつつ、運転中は順の話は出来る限り聞き流そうと心に誓いつつ、ナビ通りに車を走らせた。


ところが、何かがおかしい・・・


何故か車は山の方に向かって進んでる。たしかにこの山越えても着くやろけど、遠回りや。渋滞で迂回ルートでも選択してくれてるんやろか。


チラっと横を見ると満腹で気持ち良くなったんか、麻紀は寝とる。後からの話し声聞こえへんし、どうも皆寝てるみたいや。


「皆寝てるんかいっ!」


なんかアホらしなって、思わず声をあげてもうた。


「それがしは目玉パチりんこや!」


いや、あんただけは寝ててくれても全然OKやねんけどな・・・


「ところで順のGPSではどんな感じ?なんか、こんな山道から行かんでも普通に着けると思たんやけど・・・」


二人は寝てるし、しゃあない。極力絡まんとこ思たけど、道に迷ったら洒落にならんし、ここは順に聞いといた方がええやろ。順はすぐには質問に答えず、後ろでガサゴサやり始めた。


「たしかにこっちの道からでも行けるけど、それはさっきの道を右やった。なんで左に曲がったん?」


「え?左に曲がった?ずっと一本道やったと思うねんけど・・・」


たしかに順と話してたけど、正面向いて運転には集中してた。分かれ道があったんなら気づいてるはずや。そやけどそんなん無かった。見落としたとは思われへん・・・


「やっぱり、物語はすでに始まってるみたいやね。ムフフ・・・」


おい!なんや、その物語って・・・しかも笑い方キモいし・・・と、それはさておき、万が一俺の見落としやったら、引き返した方がええよな。とは言うものの、ずっと一本道で、後ろからは車がついてきとる。さすがにここでUターンは無理や。なんとか後ろの車先に行かせて、Uターン出来たらええねんけど、全然左側によくあるスペースがない・・・


仕方なく、俺はしばらく道なりに走り続けた。しばらく走り続けると行先案内表示版が見えてきた。その標識を見て、俺は凍りついた・・・


そこには『田代霊園 直進2km』って書いてあったからや・・・

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