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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第十一章 下山
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11-6

それからは何事も無くスムーズに進み続け、やがて目の前に県道が見えてきた。と、県道の方が騒がしい。よく見ると赤い光がチカチカしてた。


「パトカーや!それがしと連絡がつかへんのを心配して警察が捜索に乗り出してたんやな!」


それを見た麻紀は安心したんか、その場に崩れ落ちた。


「麻紀!」


「大丈夫や!ちょっと力抜けただけや。」


県道の方からは、大声で、


「いたぞ!君たち大丈夫か!」


と、言う声と共に警察官や救急隊員が下から駆け上がってきた。それらを見た俺も体中から力が抜けてその場にへたり込んだ。


そや・・・。沢口と小柄の事伝えな・・・。


「君が順君やね?念の為他の人達も名前を教えてくれるか?」


最初に駆け上がってきた警察官に名前を尋ねられた。俺達が順次名前を告げると、警察官はメモを取り、無線で確認を始めた。


「こちら河野・・・了解しました。」


何やら無線でのやり取りを終えると、


「とりあえず救急車の方まで歩けるかな?そこで手当てしながら、話を聞かせて欲しいんやけど、大丈夫かな?」


正直、このまま寝てまいたかったけど、最後の力を振り絞って県道に停められてる救急車まで歩いた。救急隊員が忙しなく体温計やら血圧計?みたいなんで色々測り始めた。


麻紀は女やから、救急車の中で処置を受けてるようや。しばらくすると警察官が来て、話し始めた。心や順も同じように聴取され始めたようや。


俺はまず最初に沢口と小柄の事を伝え、その後に廃坑で見た白骨化した遺体の事を、更には信じてもらえんやろけど、田代館での出来事も伝えた。


最後までメモ書きしながら聞いていた警察官は、


「う ん・・・まず、廃坑があると言うのは知っているんやけど、山小屋というのはちょっとわからへんね・・・。あと、田代館というのは随分と昔に建てられたもんやけど、今は廃虚で荒れ果てていてとても中で過ごすのは無理やと思うけど・・・。」


山小屋を知らん?そんなあほな。田代館が廃虚なんはわかる。あそこでの出来事はちょっと信じてもらえんやろ。それは承知の上やけど、山小屋を知らんのはおかしいやろ。無許可で建てたとか、私有地やから警察も把握してないだけとか?


「とにかく、廃坑には刑事や鑑識を向かわせます。ただ、そのお友達の二人なんやけど、いくら調べても山小屋の存在がわかりません。この辺に詳しいベテランの先輩にも確認したけど、やっぱりわからへんと言う事ですわ。」


そ、そんなあほな・・・。ほな、沢口と小柄はどないなるんや?俺はとりあえず心と順の方へ行って話し掛けた。


「山小屋なんて無いって言われたんやけど、お前等も見たやんな?」


「お前もか。俺も警察官に山小屋なんて無いって言われたんや。」


心も困惑した表情や。順も同じように言われたみたいやけど、しぶとく食い下がり警察官の方が困惑した表情になってもうとる・・・。


「・・・それがしの話が信じられへんのか?」


「そう言われても・・・山小屋があったという記録さえありませんのや。」


「わかった。それがしが案内するからついて来てもらえますか!行くで!心!太一君!」


はぁ?今から?無茶や!警察に任せたらええんや・・・とは言うても、沢口と小柄の事が気になる・・・。数時間とは言うても一緒に過ごした仲やし、約束もしたんや。今回は警官も一緒やし、昨夜みたいなトラブルに巻き込まれることは無いやろ。


「わかった。沢口君とコガッチが心配や。麻紀には先に帰ってもらうよう言うてくるわ!」


「しゃあないなぁ・・・。もうひと頑張りするか!」


俺は警官に事情を説明して麻紀を自宅まで送り届けてもらうように頼み込んだ。順のおとんが警視っちゅうのもあるし、あっさりと了承してくれた。麻紀には文句を言われたけど、そこはなんとか言いくるめて順と心の所へ戻った。

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