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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第八章 山小屋
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8-26

一瞬悩んだ。もう一回俺が確認して来ようかと・・・。しかし、小柄程大袈裟ちゃうけど、たしかにあの光景を目の当たりにした俺としては、正直怖い。あったらあったで怖いし、無くなってたら無くなってたで、それも怖い。


どうしようかと悩んでると突然麻紀が叫び出した。


「今から英単語の暗記を始めます!」


一瞬、周囲の連中の動きが止まる。そして、心が・・・


「た、太一!麻紀ちゃんがおかしいぞ!の、呪われたんか!まさか!?」


まあ、そう思うのも無理は無い。せやけど、それは違うんや。


「気にせんといてくれ。これは麻紀の寝言や・・・。」


「ね、寝言?」


「そや。寝言や。俺も学生時代の麻紀の事は詳しく知らんけど、麻紀の同級生がカラオケ来た時に聞いた話やと、麻紀はとにかく英語が苦手で毎回テストで赤点やったそうや。それがトラウマで今でもテスト勉強の夢を見る事が多いんや・・・。」


まあ、問題はこっからやねんけどな・・・。いちいちツッコミ入れるんもだるいねんけど、何故がツッコミ入れるまで終わらへんねん・・・。


「イート!食べる!」


皆、ポカンとした顔で麻紀の寝言を聞いてるわ。そらそうやろな・・・。


「ウォーク!食べる!」


歩きながら食べてんねやろな・・・。


「ハングリー!食べる!」


お腹空いたら食べるもんなぁ・・・。


「オレンジ!食べる!」


オレンジはオレンジやねんけどな。


「アポー!食べる!」


何故かアップルの発音だけええねん・・・。


「エイプリル!食べる!」


終いには四月まで食べ始めた・・・。大体ここで終わるねん。一体どんな覚え方してたんか不思議でしゃあないわ。


「ま、麻紀ちゃんってあほやったんか・・・。」


しみじみと心が呟く。


「それが、英語以外はそこそこ出来たみたいやねん。なんでか英語だけは食べる以外興味が無いそうや。俺にもよくわからんねんけど・・・。」


「ま、まあ、人には得手不得手があるさかい、ええんちゃうかな・・・。」


いや、寝言が問題なんや。全然フォローになってへんし・・・変死?そうや!寝言ですっかり忘れてた。顔や!顔!


「コガッチ!行くで!」


俺は拒む小柄を無理矢理引っ張って、ついでに順からペンライトも拝借すると、さっき顔らしきもんを見た場所までダッシュした。


虫の鳴き声まで不気味に感じるから、とにかく恐怖心を消し去る為にも全速力や!


「ちょっと太一ちゃん!痛いわよ!離すのよ!しゃああああああああぁっ!」


怖い・・・。この小柄の意味不明な悲鳴が一番恐怖心を煽る。頼むからちょっと黙っててくれや・・・。


「おかしい。たしかこの辺やったな?」


「あら、ホントに無いわ。おかしいわね。たしかさっきは・・・みゃああああああぁっ!!!」


こ、今度はなんやねん!


「た、た、太一ちゅん!そ、そこ!」


誰が太一ちゅんや!と、ツッコミは置いといて、小柄の指差す方にペンライトの光を当てた。LED特有の範囲は狭いが明るい光源が浮かび上がらせたのは、


「なんや、なめくじやん!」


それにしても、たしかにこの辺やったはずなんやけど、順の言う通り何も無い・・・。


「仕方無いわ。ついでよ!このままトイレを済ませちゃうわよ!」


切り替えが早いのか、小柄はさっさとトイレの方へ歩き出した。俺は念の為トイレに着くまで地面を注意深く見ながら歩いた。

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