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「僕はこの手の話は信じません。せやから、未だにイタズラや思うてますねん。ただ、そちらにも同じようなメールが届いたとなると、これはかなり悪質なイタズラっちゅう事になります。お蔭で遭難までしてもうて、怒りが芽生えますわ。」
沢口の拳が強く握られるんがわかった。たしかにあのメールのお蔭で俺らも踏んだり蹴ったりや・・・。ただ、あのメールに強制力はあらへん。少なくとも興味本位で来てしまったんは事実や。まあ、それでもしつこかったけどな・・・。
「それで、そっちのメールの内容はどんなんでした?」
心が小柄に訪ねた。
「ちょっと待つのよ!今見せてあげるから。えっと、これじゃないわ!これでもない!ウキ―ッ!」
不器用なんか、スマホに慣れてへんのか、それとも手がデカ過ぎて操作しにくいのか、小柄は発狂しながらスマホと格闘し始めた。それに見かねた沢口は、小柄からスマホを取り上げた。
「貸してみんかいっ!ほんま不器用なやっちゃ。これちゃうんか?」
小柄とは逆に凄い速さでスマホを操作すると、目的のメールの画面を小柄に突きつけた。
「そうよ、そうなのよ!これなのよ!見て頂戴!」
そこには、
――― 決算セール 紳士服のマツヤマ
今なら、スーツ(29800円以上)100着お買い上げの方に、もれなくスーツ100着プレゼント!三日間の限定セール!お店にレッツモー!
営業時間 AM7:43~PM5:21 年中無毛 ―――
・・・業者かっ!っていうか、仕入れかっ!挙げ句ミスプリかっ!営業時間は中途半端やし、とどめの無毛ってなんや!無毛って!
「こら!コガッチ!またなんか押したやろ!これは広告や!」
沢口は再び小柄からスマホを取り上げ、今度は沢口が直接開いたメールを見せてくれた。
「一緒や。いや、時間が違う・・・たしか俺のは午後1時、こっちは午後2時になってる・・・でも、ほとんど一緒や。」
「このメールの前にも来たのよ・・・たしか、これよ!」
―――
電気コタツ 79円
電気毛布 623000円
コップ7セット 4円
ソファー 57円
100円ライター 27500円
お値段異常 ユトリ
―――
「たしかに異常や・・・100円ライターちゃうやん!」
思わず声に出して突っ込む俺に、慌てて沢口が、
「すんません!小柄はなんでもかんでもメール会員になるんでいっぱいメール来よるんですわ・・・そのくせ、スマホの操作は苦手で・・・こっちですわ!」
そこには、田代霊園と書かれ、住所が記載されていた。これも同じや。俺はうっかり最初のは消してしもたけど・・・。
「太一のメールと同じみたいやな。まさか太一以外にも同じメール受信してる人がおったとは・・・。それにアドレス欄は空欄になってて返信も出来へんし、メアドの確認も出来へん。」
心がそう言うと、順が横から、
「せめて圏外ちゃうかったら、それがしのPCに転送してくれたら解析出来たかもしれへんのに残念や。こんな相手のアドレスのないメールはそれがしも初めて見たわ。実におもしろい!」
いや、全然面白くない・・・。ただ、こいつやったら解析してくれたかもしれへん。電波届いてる時に送るんやったな。まあ、下山してから、それは頼むとして・・・
「田代霊園の事は知ってたんですか?」
と、沢口に聞いてみた。
「いや、知りません。僕らは奈良の方に住んでて、今日はホンマは親しかった同級生数名とちょっとした同窓会やったんですわ。ミナミで夕方に待ち合わせやったから、それまで時間つぶしも兼ねて、書かれた住所に寄ってみたんですけど、こんな羽目に・・・。」
俺らと大体同じやな・・・。ということはこの二人の祖先も田代家と関係があるんかもしれへんな・・・。けど、今はそんなことはどうでもええねん。それより金脈の件を話すかどうかや・・・。




