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と、そこには背の高い男と背の低い男が立ってて、いきなりドアが開いたのに驚いて二人は尻餅をついて倒れ込んだ。
「わぁ!ちょ、ちょっとタンマ!タンマ!」
タンマ?それって死語ちゃうんか?めっちゃ久々に聞いたで・・・。心と順はハンガーを構えたまま今にも振り下ろしそうになってる。見た目は二人とも胡散臭い・・・。ここはとりあえず攻撃するべきやろか・・・と、背後に気配を感じて振り返ると・・・
「この人たち誰?」
「うぉっ!・・・って、麻紀!逃げろって言うたやろ!何してんねん!」
「だって、やっぱり一人じゃ怖いやん。」
いや、それでも逃げなあかんねんって・・・それよりこの二人組や、問題は。とりあえず不意打ちは成功したけど、どうする?
「ぼ、僕らはハイキングに来てて、み、道に迷ったんや・・・そ、それで、こ、小屋を見つけたから休もうと、ここに来ただけや。ホンマや・・・もう三時間も飲まず食わずなんや・・・」
三時間?あほか!俺らはもうちょっと長い時間飲まず食わずじゃ!それにこのタイミングで遭難したなんて信じられへんわ。すると順は、
「そうなんか、それは大変でしたな!まあ、何も無いとこやけど、どうぞ朝が明けるまでゆっくりしてってください。」
夜が明けるの間違いちゃうんか?って、そこじゃなくて、そんなに簡単に信用するなや!それに、ここはおまえの家か!
「た、助かりますわ・・・」
「お、おい順・・・そない簡単に小屋に入れたら危険ちゃうんか?」
心がもっともな事を言う。
「大丈夫や!目を見たらわかる。この人たちは悪い人には見えへん。とても金を探しに・・・」
「あ、あほ!いらん事言わんでええねん!!」
ほんま順は空気読めてへん・・・。そんなこと言うたらますます危険やないか・・・。
「き、金?何の事ですか?そ、それより、その手に持った物を収めてもらえませんか?」
いや、まだあかん!全然こいつら信用出来へん。と、勝手に心のハンガーを順が奪い取って、外に放り投げると、
「太一君、そない物騒なモンはしまうんや!怖がってるやんか、この人たち。」
最悪や・・・。この流れで俺だけ襲いかかるのもなんやし・・・順、この借りはでかいで!
「貸しの間違いやと思うで!太一君・・・」
こ、こいつ・・・なんぼ程俺の心の中を覗いては突っ込むんや!結局、俺も振り上げたハンガーを下ろすと、二人はようやく起き上り、小屋の中へと入って来た。小屋に入ると背の低い方の男が、
「あっ、申し遅れました。僕は沢口って言います。こっちのデカいのは小柄って言います。名前と体格が逆なんで、よく笑われますねん。」
いや、今は笑えへんで・・・え?
「ちょ、ウケるぅ!爆笑や!」
ま、麻紀・・・そないに面白くないやろ・・・。あかん、麻紀が転げまわって笑っとる。怒り出してもしらへんで・・・。
「・・・・・・・・・。」
しかし、小柄と呼ばれた大男は無言のまま一言も喋らへんかった。それどころか表情一つ変えへん。なんや、不気味なやっちゃなぁ・・・。それに本名かどうかもわからへん。ここは、俺らも偽名で・・・
「それがしは順、こっちがココロって書いて心、後ろにおるんが太一君と麻紀ちゃんや。」
あほ!こんな状況で本名語るバカがどこにおるんやっ!勘弁してくれよ・・・。




