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心の提案で皆OKやと思ってたら、順が反対の意見を言い出した。
「それがしは心と逆の考えや。心も言うてたけど、そういう連中は目立たんように細心の注意を払うと思われる。という事は
、わざわざ危険を冒してまで小屋に攻め込んでけえへんやろ。もちろんそれがし達も金を狙ってると感じたらライバル蹴落とす為に、行動を起こすかもしれへんけどな。せやから、ここで大人しく一夜を明かし、朝一気に下山したら、単なる遭難者達やと考えて追跡してけえへんと思うで!」
なるほど、順の考えもなかなか説得力はある。俺にはどっちの選択がええのかわからへん
とりあえず両方の意見のリスクを考えてみる。心の提案でいくと、やっぱ暗い中での下山が一番のネックや。それに暗いから絶対に襲われへんっちゅう事でもない。
一方で順の提案でいくと、心も危惧してる小屋に攻め込んでくる可能性や。順は大丈夫や言うてるけど、絶対ではない。
結局どっちを選択しても同じくらい危険なんはたしかや。ここは麻紀の意見も聞いてみよか。
「麻紀はどう思う?」
「え?何、何?全然聞いてへんかってんけど。」
あ、あかん・・・もう一回説明するんがだるいわ。そもそも麻紀に聞くのが間違いやった。
「で、太一はどう思うんや?」
あかん!決めかねて麻紀に振ったのに、俺に委ねられても・・・
「ま、まあ・・・俺としては・・・その・・・」
「しっ!!静かに!なんか足音聞こえへんか?」
助かった・・・なんて答えるかも決まってへんのに振られても・・・で、足音?俺には・・・いや、微かになんか聞こえる気がする。
「おい、そーっと窓に近づいて、逃げられるように準備しとけよ!」
心がそう指示すると、ゆっくりと扉の方へ歩み寄る。危険ちゃうか?とりあえず麻紀だけでも先に逃がさなあかんから、麻紀の腕を掴んで窓の方へ移動した。順も心と一緒にドアの方へ向かう。俺はとりあえず窓の鍵を開けてゆっくりと窓を開けた。
「ええか、もし誰か来たらここから飛んで外に逃げるんや。」
「え?ウチだけで?どっち行ってええかもわからへんのに無理やん!」
「とりあえず外に出たらええんや。後の事はその時に考えるねん。俺らもすぐ追いかけるから心配せんでええ!」
「わかったわ。せやけどちゃんとすぐ来てよ!レディを夜の山に一人放り出すんは危険・・・」
「来るで!ええか麻紀!言われた通りにするんやで!俺もドアの方に行くから!」
麻紀の言葉を途中で遮って、俺は武器になりそうなもんを探した。あまり役に立ちそうも無いけど、近くにあったハンガーを3個取って心達の方へ駆け寄った。1個ずつ心と順にハンガーを渡すと、
「フンガーでどないするんや?」
「ハンガーや!」
後ろから麻紀が突っ込む。まあ、これは多分わざとやろ・・・。
「多分一人ちゃうわ。最低でも二人はおるで!」
ドアに耳を当てて心が呟く。
「とりあえず、こっちから開けるから覚悟はええか?」
「それがしはいつでもOKや!」
「俺もかまへんで!」
順と俺はハンガーを振り上げて身構える。心が右にハンガーを持った状態で左手で一気にドアを開けた・・・。




