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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第八章 山小屋
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8-13

「心ちゃんも見つかった事やし、こんなとこさっさと出よ!」


麻紀が急かす。たしかに麻紀の言う通り、心が見つかった以上ここにいる理由もないし、部屋を出ようと向きを変えた瞬間、順が呼び止めた。


「おい、皆。これって人の人骨ちゃうんか!?」


「人の骨やから人骨やろ!」


最近麻紀のツッコミが早い・・・。それはさておき、俺と心も近づいて順の指さす方を見る。麻紀は怖いのか、扉の近くで早く出たそうにしていた。


「たしかにどうみても人の頭の骨やけど、ほんまもんかどうかはわからへん・・・。しかも1,2、3体もあるで・・・。」


不思議と人の骨を見ても怖さは無かった。それは単におもちゃかもしれへんと思ったのもあったかもしれへん。そもそも、こんな場所に人骨が転がってる方がおかしいし、多分誰かのイタズラで・・・とは言え、おもちゃにしては精巧に出来てるし、こんなおもちゃは見た事がない。


せいぜい、理科室にある模型くらいやけど、たしかあれって一体でも結構値段するんちゅうかったかな。それを三体もイタズラの為に放置するっていうのも考えにくい。すると心が、


「この骨って田代館の執事とメイドちゃうんか?」


「あの三人は窃盗団やろ?それにこんな短時間で白骨化するなんて事はありえへんやろ!」


「いや、そうじゃなくて写真に写ってた、本物の執事とメイドや。」


「根拠は?」


「いや、根拠は無いねんけど、なんとかなくそんな気がしただけや。」


俺と心の会話を黙って聞いてた順が今度は、


「いや、心の言うので間違いないと思うで。ほら、そこに手の骨があるけど、その横に田代家の紋章が入ったペンが転がってる。」


「田代家の紋章?」


「屋敷の門の所に刻印されてたから覚えてるんや。それと一緒の紋章が・・・ほら見てみ!」


そう言って落ちているペンを拾い上げると俺と心の方に差し出した。と言っても、俺はそもそも紋章があった事も知らへんかったから見せられてもわからへん・・・。心も俺と同じく記憶に無いみたいで二人で首をかしげていると、


「ほんまや。ウチも覚えてるで!露天風呂にもこんな紋章があったもん。」


ここに田代家の紋章入りのペンがあったからと言って、ここに横たわる三体の骨が田代家の関係者とは限らへん。そもそも、当時亡くなったのは田代夫妻であって、順の調べた当時のデータベースには召使の事なんて書かれてへんかった。


「なんとかなくやけど、一連の出来事が結びついてきたな!」


と、心が自信ありげに話す。


どこがや!全然繋がりも見えへんし、ありえへんことだらけや!さっさと夢やったら覚めてくれかな・・・。長すぎる夢は疲れるわ!


「心もそう思うか。それがしが調べた記事の中には、当時田代館に従事していた召使三人が行方不明になったっちゅうのがあったんや。つまり、同時期に田代夫妻と召使三人の合計五人が行方不明になってるんや。」


「それを先に言わんかい!!!なんで今まで黙ってたんや!あほ!」


思わず麻紀口調で突っ込んでもうた。


「だって、誰も聞けへんから・・・まあ、細かい事はええがな。」


いやいや、全然良くないっちゅうねん・・・。とは言え、全然堪えてない順にはこれ以上何を言うてもあかんやろ・・・。


「ちょっと、もうそんな骨の事はええからここから出ようよ!」


麻紀は相変わらず扉から離れず三人のやりとりを見守っている。俺も骨の件は後で警察に連絡するという事で、地上に出た方がええと思う。そやけど心は違うみたいや。


「俺の仮説はこうや!当時田代夫妻は何者かに命を狙われていた。それを知った召使は口封じの為に殺されて、当時はまだ炭鉱やったここに死体を遺棄されたんや。一方田代夫妻は旅行に出かけた所を殺された。死んでも死にきれない五人は霊となって元々従業員やった祖父母の孫俺たちに事件を解決してもらう為にここへ導いたっちゅうことや!」


いや、やっぱり無理やり過ぎるで・・・心。ドラマちゃうねんから、そんなあほな展開は無いわ・・・。とは言うものの、俺も実際不思議な出来事には見舞われてるし、全部は否定出来へんかった。

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