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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第八章 山小屋
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8-8

心は相変わらず眠そうにしてる・・・。いや、多分寝てると思われる。で、問題は、順や。なんか、半分口喧嘩してる感じやねんけど・・・。


「マッシュはどこや?契約違反ちゃいますの?ここの冊子には、一人って書いてますやん!」


「・・・。」


多分、相手も反論してるんやろけど、俺には姿も相手の声も聞こえへんから、どんな会話なんかはわからへん。


せやけど、順が喋った後、間があって、また、順が話始めた。


「で、おたくはどちらさん?ポツダム先生?小学校の先生ですか!こんなとこで何してますの?・・・なるほど、林間学校ですか。その割には生徒さんの姿が見当たりませんね。」


ポ、ポツダム先生?宣言じゃなくて?って言うより、林間学校・・・。もし、順が独り言で暴走してるんじゃなければ、多分その先生は林間学校に来て不慮の事故かなんかで命を落とし、この辺りを彷徨ってるっちゅう流れやな。


いや、そんな事より麻紀騒動でバタバタして、忘れてたけど外で見た人影をどうするか考えんとあかんのちゃうかな・・・。


「ちょっとええか?順。」


「太一君は黙っといて!今、ポッさんと伝説の第三回AKY総選挙の話題で盛り上がってる最中なんや!」


いや、そんな事はどうでもええねん。しかし、そんな俺の思いとは裏腹に会話は盛り上がっとる・・・


「SKY48000にNKY48000、それに現在のAKY48000が入り乱れてのセンター争奪戦は見てるこっちまでドキドキや。後田寒子の引退で今後のAKY人気にも影響するから、今度の総選挙はこれまでで一番白熱した戦いが予想されてるんや。推しメンに投票するためにディープファンの中には一人で一万枚買った言う噂も流れてるくらいや!」


おいおい・・・一枚千円としても一千万やで・・・。たしかSKYは名古屋拠点のグループで『少し空気読めない48000人』、NYKは大阪拠点のグループ、『なかなか空気読めない48000人』やったはずや。よくそんなにメンバーを集めたもんや。それに今後は九州や四国、北海道と全国を拠点としたグループも結成されるそうで、世の中の若い一般女子がいなくなるんちゃうかとまで言われとる・・・。


っていうか、そろそろその話はもうええんちゃうか・・・。


「ほな、ポっさん!お互い推しメンの為に頑張りましょ!」


・・・やっと消えてくれたみたいや。もう、頼むから変なん出てこんといてくれよ!


「順!そろそろ今後の事話し合った方がええんちゃうか?さっきの人影だって、まだその辺ウロウロしてるかもしれへんで?」


「太一君は心配性やな。それがしにびびって逃げたんやろ。もう大丈夫やとは思うけど不安なんやったら、もう一回見回り行ってもかまへんで!」


まあ、順にびびって逃げたとは思えへんけどな。とりあえず俺的にはもう一回見回りに行く方が無難やと思う。


「とりあえず、心には眠いとこ悪いけど、もう一回見回ってみた方がええと思うで!」


すると、寝てると思ってた心が顔を上げて、


「太一がそう言うんやったら、行ってみよか!たしかに俺も気になるしな・・・その人影っちゅうのが。」


そう言って立ち上がると、先にドアに向かって歩き始めた。慌てて俺と順も後に続く。麻紀は再び寝息を立てて爆睡中やし、もうトイレに立つ事も当分は無いやろ。


先にドアに向かった心がドアを開けると、


「だ、誰や!うわっ!ちょ、ちょう待て!」


と、パニくりながら何かと格闘し始めた。驚いた俺と順は一瞬戸惑ったが、急いで心の元へと駆け寄った。心は何かと格闘しながら外へと出て行った。


「大丈夫か!心!」


「心、何があったんや!」


俺と順は叫んだ。ちょうど、心が暴れた拍子にドアが閉まってしまい、心がどうなってるのかがわからんかったからや。急いでドアノブを回すけど、勢いよく閉まった拍子に壊れてしもたんか、ガチャガチャと音がするだけで、ドアノブを回しても一向に開かへん・・・


「太一君!引いてどうするんや!押すねん!」


横から順がドアノブを奪い取る形で捻って、ドアを押した。すると普通に開き順はその勢いのまま外に飛び出した。俺も動揺してパニくってるようや・・・。


「太一君!心がおらへんで!」


「そんなあほな!10秒くらいの出来事やろ?消えるはずあらへん!」


とは言うものの、ドアが閉まるまでは心の声が聞こえてたのに、ドアが閉まってからは静かになってしもた。それほど防音効果のある小屋でも無いし、ドアが閉まっても声は聞こえるはずや・・・。

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