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「とりあえず心にもこの事伝えといた方がええやろ。」
順も頷き・・・俺と順は念のため背中合わせに前後を警戒しつつ小屋の方へ移動した。心は小屋の入り口で眠そうに一人目を擦りながらアクビをしてた。
「心!誰かおったで!森の方に向かって逃げ出したようやけどな。」
「窃盗団か!」
心が叫ぶ。
「いや、わからへん。二人組のようにも感じたけど、正直暗くてわからんかったわ。とにかく襲ってくる気配は無かったけど、油断は出来へんで!」
「こっちは特に異常無しや。今のところは・・・」
「麻紀は寝てるんか?」
「多分・・・ずっとここで見張ってたから中の事はわからへんけどな。」
まあ、出入り口はここしかあらへんし、わざわざ窓から出る必要もないやろ・・・とは言うもののなんか、嫌なから騒ぎしてドアを開けた。するといきなり順が後ろから、
「太一君・・・から騒ぎじゃなくて、胸騒ぎちゃうんか?」
と、また心の呟きにツッコミ入れてきおった。
「順・・・頼むから心の叫びを読み解くんは止めてくれへんか・・・」
「え?心の叫び?」
おいおい・・・まさか俺声に出してた?まあ、疲れてるから、ちょっと声に出してたんかもしれへん・・・と、
「ま、麻紀?麻紀!?」
「どないしてん!」
後におる心と順が同時に叫ぶ。
「麻紀の姿が無い・・・」
俺は慌てて部屋の中をくまなく探す。心と順もベッドの下とか覗き込む。しかし、麻紀の姿はどこにも見当たらへん。俺は急いで外に飛び出すと、簡易トイレの方へ走った。そして、ノックする。
「麻紀!麻紀!おるんか?」
「なんやの!うるさいな!トイレくらいゆっくりさせんかいっ!」
え?おるんかい!って、心がドアの前におったんちゃうんか?わざわざトイレ行くのに窓から出たっちゅうんか?
「おい!おまえホンマに麻紀か?聞いてんのか?」
すると勢いよくトイレのドアが開き、そこには凄い形相で俺をにらむ・・・麻紀の姿があった。
「うるさいねんっ!いちいちトイレまでなんやのん!?」
「い、いや・・・麻紀の姿が・・・その・・・見当たらへんかったから・・・その、消えたと思って・・・」
「あほかっ!マジシャンじゃあるまいし、消える訳ないやろっ!」
「ほな、どっから出てトイレに行ったんや?」
「窓からに決まってるやろ?あほちゃうか!?」
「いや、意味がわからん。なんで窓からが普通やねん!」
「だってその方が近いやんかっ!ちょっとどいて!めっちゃ眠いねんから・・・」
それだけ言うと、今度は普通にドアから部屋に戻って行った。心と順もポカンとしとる。きっと寝ぼけてたんやろ・・・
ついでやから俺もトイレで用を足して部屋に戻った。すると、また順が誰かと喋っとった。




