表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第八章 山小屋
56/90

8-4

麻紀は、ウォーターベッドの感触を楽しんでるんかと思ってたら、そのまま寝てもうた・・・。順はいつまで自家発電するんかわからんけど、ひたすらクルクルやっとるし、心は寝てるようにも考え込んでるようにも見える。


なんか、俺、暇かもしれへん・・・。仕方なく『山小屋を利用する方へ』と、書かれた冊子を手繰り寄せ、目を通して見た。


色々、人として当然の事が書かれていた。例えば、綺麗に使用するとか、ゴミは持ち帰るとか、保存食を使用した場合、集金ボックスにカンパ願います!とか納得しながら読み進めると、最後のページに、『時々一人多い事がありますが気にせず過ごされます様お願い致します。』と、書かれてた。


え?どうゆうこと?一人多い?意味がわからん・・・というよりなんとなくわかるけど、わかりたくないという方が正しい。早い話、出るっちゅう事みたいや。


俺はクルクルやってる順に、冊子を見せてみた。


「ここや!この一人多いってどういうことや?」


まあ、大した返答は期待してへんけど、俺だけ知ってるっちゅうのもなんか嫌やし、誰でもええからこの事実を共有したいっちゅうのがほんまのとこや。


「賑やかでええやんか。充電手伝ってもらえるかもしれへん。で、その一人はどこにおるんや?」


順がキョロキョロし始めた。そのまま立ち上がると、ゴージャスベッドの方へ歩いて行って、


「すんませんけど、これ回してもらえませんか?」


と、問いかけた。


「誰に話とんねん!」


「おっちゃんや!多分、遭難したんやろ。一夜限りの仲間っちゅうこっちゃ。」


何度見返しても誰もおらへん。そやけど、順が手渡した回転式充電器だけがガチャガチャと回っとる・・・。まさか、ほんまにおるんか?


「緑のランプ点くまで頼んます!」


――― け、け、KO牧場・・・


なんか聞こえた。KO牧場?なんか違う・・・って、そこじゃないねん!たしかに低い声でそう聞こえた・・・。俺にだけ見えへんのか?心もさっき奇妙な事言うてたし、もしかして見えてるんかもしれへん・・・。


もしかして夢?俺は寝てしまってるんか?もう何が何かわからへん・・・。


順はおっちゃんと呼んでる見えない相手となんか話し始めた。話はどんどん膨らみ意気投合しているように見える・・・いや、正確には見えてないんやけど。


「あっちが太一君。寝てるのが麻紀ちゃんで、座ってるのがココロって書いて心って言いますねん。おっちゃん名前は?・・・浩二さん。なるほど。ほな、マシュマロって呼びますわ!」


なんでやねん!浩二からどうなってマシュマロになるんや!もしかしてマシュマロのようなモチモチ肌のおっちゃんなんか?それってちょっと気になるで!


そんな一人会話のようなやりとりに心が起き上った。


「やっぱりおったんやな。俺だけしか見えてへんと思ったんやけど、太一も見えるんか?」


「いや、全然。」


「そうか・・・。順は見えてるみたいやな。作業服姿で日焼けした浅黒い肌で体つきはガッチリしてるけど、目はさみしげや・・・。」


「浅黒い?ガッチリ?ほな、マシュマロってなんや・・・」


「順のセンスはわからへん・・・。両足が見当たらへん。もしかしたら何かの作業で事故に巻き込まれ、ひどい亡くなり方したんかもしれへんな。」


「で、なんでそんな人・・・霊?が、ここにおるんや?」


「それは俺にもわからへん。ここに入って来た時にはおらへんかったんやけど、いつのまにかあの場所におったんや。まあ、見た感じ、屋敷とは無関係そうに見えるけどな。」


順はまだ盛り上がってる。ただ、相手の声はあれ以来聞き取れへん。今の所、直接俺らに恨みがあって出てきた訳でもなさそうやし、幸いにも俺には見えへんし、実害無ければええやろ・・・と言い聞かせつつも、やっぱりちょっと不気味や。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ