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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第八章 山小屋
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8-3

再び順が戻ってくると、


「山小屋に非常食でも無いかと探したけど無かったわ。その代わり山小屋の裏手に小川が流れてて、はっきりした成分はさすがにわからへんけど、試しに飲んでみたら、冷たくて美味しかったわ。いざという時は、水分補給は万全や!」


なんかどんどん順が神様みたいに見えてきた。もし、俺と麻紀二人で遭難したらきっと順みたいに臨機応変に行動出来るかと聞かれたら、間違いなく俺には無理や。麻紀と遭難したまま死んでしまうかもしれへん。


なんと頼り無い男なんや・・・俺は。なんか情けなくなってきたわ。


「ベッドはあるん?」


麻紀が無神経な質問を順に投げかけた。あほか!そんなもんが山小屋にあるわけないやろ!


「あるで!」


あるんかいっ!


「まあ、三セットしかあらへんけどな・・・。一人は地面や。」


三個もあるんかいっ!別に登山で有名な山とかでもないのに、そんな山小屋にベッドって・・・。まあ、簡易ベッドかなんかやろ。怪我した時とか治療するのに必要かもしれへんしな。


「ウォーターベッドが二つに、なんか社長の部屋にあったようなかなりゴージャスなんが1個、あとはゴザや!」


なんでゴザやねん!それにウォーターベッドって子供の頃に流行った気がするんやけど、そんなもんどうやって運んだや。まあ、それはどうでもええわ。ようやく俺たちは立ち上がると、順の後に続いて山小屋に入った。よくテレビとかで見かける火を灯すタイプのランプがあるみたいやけど、残念ながらこのメンバーは誰もタバコは吸わへんのでライターを持ってへん・・・。


仕方なく、ペンライトの明かりで過ごすことにした。たき火がある訳でもないのに、何故か四人は向かい合って、そこにたき火があるかのように固まって腰を下ろした。しばらくすると麻紀が立ち上がり、


「ほんまにウォーターベッドあるんや!ポヨンポヨンして気持ちええやんか!」


麻紀がベッドを押しながらはしゃいでる。意外と元気そうや。俺は疲れてもう立ち上がる元気もあらへんっちゅうのに・・・。


「で、順は何をしてるんや?」


ふと、見るとなんか一人でグルグルやってるから聞いてみると、


「自家発電や!おまえらも手伝うか?いざという時の為にモバイルバッテリーを満充電にしとかんと不安やろ!」


「いや、遠慮しとくわ。」


見た所モバイルバッテリーとか言うやつ10個はあるように見えるんやけど・・・。さすがにそんなに必要ないとは思うんやけどな。陽が昇るまでせいぜい六時間弱やろ。


「六時間弱でも、念のためや!」


「まあそうやけど・・・え?ええええええ??」


おいおい!今、俺は声に出してへんねんで・・・心の叫びに突っ込んだんかっ!心で思い出した・・・心はと言うと、グッタリして寝てるんか黙ってるだけなんかわからへんけど、山小屋に入ってから一言も喋ってへん。


「大丈夫か?心?」


しばらく間を置いて、


「すまんすまん。ちょっと考え事や。今ここにおるんは、四人やんな?」


「はあ?それは最初に順が確認したし、俺と麻紀と順、それに心の四人やないか。」


なんか訳わからん事言い出しよったで。やっぱり相当疲れてるんやろ。


「気にせんといてくれ。目も疲れてるんかもしれへんわ。」


それだけ言うと心は目を閉じて再び無言になった。もう一度部屋を見回す。入り口横に簡易のキッチンがある。水はタンクに入れなあかんようで今は入ってへんのやろか、蛇口をひねっても水は出なかった。


部屋の四隅の奥二つにはウォーターベッド、手前の入り口を入って右側にはなんかゴージャスなベッド。反対側にはゴザがそのまま床に敷かれてて、小さい折り畳みのテーブルは折りたたまれた状態で部屋の端に立てかけられている。


トイレは外にある簡易トイレだけや。何度見まわしても、俺を含めて四人しかおらへん。それでも心の言うた事が気になった。

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