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「ほんなら太一はこの写真とこの状況どう説明するん?」
麻紀が俺に詰め寄る・・・。むしろ俺が聞きたい。
「メールから始まって、もし、俺がメール無視したらその時点で計画終了やで・・・。それやったら順だけターゲットに作戦練った方が確実やと思うねんけどな。それに墓の駐車場での出来事、ファミレスでの出来事、この屋敷でも変なん出てきたん見たやろ?いくら凄腕窃盗団でも幽霊は出せへんやろ・・・。」
すると、今度は心が、
「まあ、たしかに太一の言うてる事も一理あるけど、あの三人が怪しいのはたしかや。そもそも、ここの主・・・つまり田代夫妻はだいぶ昔に亡くなってはるんや。執事とかメイドがおるんが変やろ。で、最初はあの三人も幽霊や思ってたけど、あれは生身の人間や。わざと幽霊っぽい演出してるだけや。」
そこで、すかさず順がなんか言おうとするのを、手で制して更に続けた。
「順が言いたいんはあの奥田って姉ちゃんだけは別や言いたいんやろ?それはとりあえず置いといて、問題は、俺らが奴等の計画に気付いたと知ったら、何仕出かすかわからん。なんせ、立派な犯罪者やねんからな。幽霊よりよっぽど危険や。」
たしかに心の言う通りや。あの三人は確実に幽霊では無い。で、さっきの幽霊はもしかすると、自分の屋敷が犯罪の舞台になるんが嫌で俺らにシグナルを送ってんのかもしれへん。まあ、勝手な想像やけど。
問題は、これからどうするかや。と、麻紀が珍しくええ意見を出しよった。
「電話繋がってたやん。警察に電話したらええんちゃう?」
その通りや。たしかに電話は繋がったし、ここにもダイヤル式の電話がある。俺は受話器を手繰り寄せて、110番にかけた。まさか一日に二度も110番するとは思っても見んかった。
・・・・・・・・・。
「あかん。受話器から音がせえへん!他の部屋行くで!」
俺は社長の部屋を飛び出して、自分に充てらてた部屋に入り、そこにあった同じ色、形の電話機に手を伸ばす。・・・が、やはり無音のままやった。後から心達も部屋に入ってきたけど、俺の表情を見て繋がらへんことはわかったようや。
「どうも、二階の電話機は全滅みたいやな。せやけど、内線で何かあったらって言うてたし、まさか気づかれて線抜かれたんやろか・・・」
思わず皆の顔が強張った。気づかれてら命を狙われる危険も無いとは言い切れへん。順以外のここにおる連中にとってはたかがブロマイドやけど、裏ではかなり高値で取引されてるようやし、ここまで周到に計画して犯行に及んどる連中や。何仕出かすかわからへん・・・。心も同じことを思ったらしく、
「このまま一階に下りるのはマズいかもしれへん。露天風呂の方に非常口あったやろ。あそこから逃げるんがええかもしれへん。」
「でも、外は真っ暗やで!ここ出てどうするんよ?」
麻紀が不安を漏らす。
「そやけど、このままここにおっても危険なんや。それやったら逃げる方が賢い選択ちゃうか?」
「そやね!そうしよ!行くで!皆!」
切り替えが早いというか、単純と言うか・・・順も異論は無さそうやし、俺らは急いで非常口へ向かった。




