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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第七章 ブロマ
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7-8

部屋のドアはさっき俺と心が開けたままの状態やった。先に順が入って電気を点けてたから部屋は明るかった。


改めて部屋を見回すと、真ん中に丸い高級そうなテーブルとソファーがあり、壁側には、これまた高そうなグラス類と、洋酒、俺にはよくわからん絵画も二枚壁に掛かってた。


食器棚と反対側には、多分キングサイズと思われる大きいベッドがあった。窓際の方には机がある。机の上には封筒らしきもんが見えた。俺は机に近付くと、その封筒が気になり手に取った。


封筒は全部で四通・・・。表には退職願の文字があった。裏面の宛名には、俺たちは四人の祖父母の名前が書かれていた。


「おい!これ見てみ!」


俺はその辺を物色中の心達に声をかけた。


「これは、それがしが調べた株式会社田代を解雇されたとされる先祖の名前や!」


先祖って、まだ健在の人おるやろ・・・。それはさておき、その内の一通の中身を取り出して読んでみた。


「順の調べた記事には解雇って書かれてたけど、この退職願がもし、それぞれ本人の書いたもんやと、解雇じゃなくて、皆自分の意志で辞めてる事になるで。それも、社長には感謝してるみたいやし、四人で起業するから辞めるみたいな感じや・・・。」


そう言うて、俺は心に退職願を見せた。


「すると、俺らのじいちゃんかばあちゃん四人は昔、一緒に商売してたんか?初耳や。まあ、詳しく昔の話聞いた事は無いねんけどな。」


「俺も、喫茶店か何か飲食店を知人と経営してたとは聞いた事あるんやけど、詳しくは知らへんわ。」


順も麻紀も、詳しい事は知らんそうや。と、なるとまた、謎が増えた事になる。まず、俺らがここに導かれた事がじいちゃん、ばあちゃんと株式会社田代に関係してると思ってたけど、それは違うようや。


まあ、実際の所はこれだけじゃわからんけど・・・!?もしかして、さっきの血だらけのおっちゃんが田代社長か?旅行先で事件に巻き込まれて、死んでしもたんやろか・・・。いや、ちょっと無理があるか。でも、もしかしたら可能性はあるかもしれへんで・・・。


「で、さっきのおっちゃんはこれを俺らに見て欲しかったんやろか?それとも、他になんかあるんやろか?」


心がキョロキョロと周りを見ながら聞いてきた。


「それはなんとも言えん。あのおっちゃんがもしかしたら、田代社長かもしれへんし、違うかもしれへん。」


「あれ?この写真・・・。なんかちゃうで!」


突然麻紀が叫んだ。手には写真を持ってる。それを俺らに差し出した。古ぼけて黄ばんたその写真には、多分会社の従業員とかと何かの記念で撮ったんやろか、綺麗に整列して写ってた。人数は三十人くらいやろか。


真ん中に多分社長。となりは奥さんやろか。その両サイドには多分重役。ひな壇で四列。それともう一枚・・・。


「これや!これ!こっちの写真って、この屋敷やろ?これ、入り口の門やし!」


そう言って指差す。たしかに昼間見た入り口の門や。そやけど、それがどないしたんや・・・。普通に記念撮影ちゃうんか?すると、心が、


「なるほど、多分この屋敷の完全記念に撮影したんやろけど、ここに写ってる執事とメイドが、一階におる三人とちゃうで!それに、やっぱり血だらけのおっちゃんが社長っぽいな・・・。」


顔まで確認してへんかった。


「まあ、執事とメイドが変わった可能性もあるんかもしれへんけど、ちょっと気になるな。それにこの写真では、メイドは三人やし。」


順が呟く。言われてみると、若いメイド二人とちょっと年配のおばちゃんもエプロン姿で写ってる。社長夫人は社長の隣にいてる人やし、全員が入れ替わった可能性も無いとは言えへんけど、たしかに気になる。


しばらく考え込んでた心が、


「もし、もしやで!下におる三人が順の言うブロマイド窃盗団やったとしたら、多少辻褄の合わん点はあるものの、今日の出来事も納得出来るんちゃうか?」


・・・。多少辻褄・・・それでもかなり辻褄合わへんと思うけどな。仮にあの三人が窃盗団やとして、どの時点から仕組まれてるんや?まさか、俺に意味深なメールして、それを心に相談、心が順を連れて最終的にこの屋敷まで導いたとでも言うんか?それはかなり無理があるような気がするで・・・。


しかし、麻紀は、


「心ちゃん凄い推理力やん!絶対それで合ってるわ!」


おいおい・・・。


「それがしは奥田ちゃんは窃盗団とは無関係で騙されてるだけやと思うけどな・・・。」


なんでやねん!皆疲れて思考能力低下してるんちゃうか?


「ちょっと無理あるんちゃうかな・・・。」


なんか、三対一っぽい状況になってもうてるけど、一応反論してみた。

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