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とりあえず、麻紀もトイレは済ませたみたいやし、部屋に戻ろうと振り返ると・・・
「うおおおおお!」
俺は突然の出来事に驚き、尻餅をついて倒れ込んだ。なんと、目の前に血だらけのおっさんが・・・。
麻紀は、恐怖のあまり声が出えへんみたいやし、さすがに心も表情が引き攣っとる。だ、誰やこのおっさんは・・・。
「太一・・・これはビックリや・・・。麻紀ちゃん一人の時は出るかもしれん思うたけど、まさか四人おる時に現れるとは、かなり意表を突かれたわ・・・。」
いや、心・・・状況分析はいらへん。それより、こんな時どうしたらええんや・・・。逃げる?それとも、戦う?まあ戦って勝てるとは思われへんけど。
「おっちゃんいつの間にトイレから出たんや?やっぱり救急車呼んで欲しいんか?」
「・・・・・・。」
「痛すぎて喋られへんのか?」
「・・・・・・。」
いや、多分永久に喋らへんと思うで・・・。そう思いながらも、身動きさえ出来ない空気と恐怖でただただ、そのやりとりを見てる事しか出来んかった。麻紀はその場に屈みこんで両手で顔を覆い、この状況が速く去ってくれるのをひたすら待ってるようや。心も俺と同じく、どうしてええかわからず、金縛りにあったようにじっとしていた。
相変わらず、マシンガンのように問いかけ続ける順・・・。と、その血だらけのおっちゃんが腕をあげて、通路の向こう側を指さした。その指先の方向は社長夫妻の部屋やった。
「社長の部屋になんかあるんか?おっちゃん!・・・・・・あれ?どこや?逃げ足だけは早いなぁ・・・。」
視線を戻すと、そこにはおっちゃんの姿は無かった。順が階段の方とか奥の通路を探しに行ったけど、戻ってきて首を横に振った。
「太一、どうする?流れ的に社長の部屋になんかあるって事なんやろうけど・・・」
少し震える声で心が問いかけてきた。
「ま、まあ、部屋に戻っても出るときは出るんやったら、社長の部屋に行ってみるんもええかもしれへんな。」
「ウチも行かなあかんの?もう、マジ勘弁や!・・・でも、一人はもっと嫌やけどな・・・」
「それがしに任せておけば大丈夫や!もしかしたらブロマのデータはそこにあるんかもしれへんし、急ぐで!」
あるわけないやろ!大体、血だらけのおっちゃんとブロマイド、全然関係無いがな。そう言えば、外から戻るときに社長の部屋を通った記憶はあるけど、急いで通路に飛び出したから、あんまり部屋の様子見てへんかったな・・・。
結局、順を先頭に社長の部屋に向かう事にした。




