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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第七章 ブロマ
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7-3

さて、後は洗濯モンや。さすがにこの時間には出来上がってへんやろし・・・。眠そうな顔をしながら麻紀が呟いた。


「そもそも、執事のおっちゃんとかメイドの二人はほんまにおるんやろか?ウチ風呂とか、その後で襲われそうになったんやけど、その時の顔色、とても生きてる人間には見えへんかった。まあ、薄暗いとこやったし、ハッキリとした事は言えへんねんけど・・・。」


すると、順が、


「この世に幽霊なんか存在せえへん!奥田ちゃんに限って・・・奥田ちゃんに限って、襲って来るなんて、なんかの間違いや!」


「順!気持ちはわかるけど、この屋敷自体普通やない事わかってるやろ?」


心が突っ込む。順の様子からして、順もなんかあった感じや・・・。まあ、俺と心は奇妙な出来事はあったものの、執事やメイドとは、今の所何もあらへんから、なんとも言えんけど・・・。


そう言えば順には特にキツめに当たる麻紀が大人しい・・・ん?寝てるがな!まあ、疲れたんやろ。ここは交代で休んだ方がええかもしれへんな。心や順も疲れてるやろし、俺も正直眠い。


「麻紀も寝てもうたし、交代で仮眠するか?」


心と順に聞くと、


「それがしは一晩くらい寝んでも大丈夫や。三人共寝てくれてかまへんで。」


すると、心が、


「順やったら少々寝んでも大丈夫なんはわかってるけど、やっぱり今は二人は起きとかなあかんやろ。」


たしかに、順一人では、不安はある。奥田というメイドに惚れてもうてるっちゅうのが一番問題や。俺も、眠かったけどいざ寝るとなると眠れそうも無い気がしたから、


「ほな、俺と順で起きとくから、先に心が休んだらかまへんで!なんかあったらすぐ起こすけどな。」


「それやったらお言葉に甘えて先に休ませてもらうわ。正直眠くてたまらんねん。ほな、見張りよろしく!」


それだけ言うと、よほど眠かったんか、あっという間に寝息立てて寝てしもた。


「早っ!」


思わず声を上げると同時にこの状況でもすぐに寝られる心が羨ましかった。とりあえず順にパソコンで俺らが狙われた理由をもう一回調べてもらうように頼んでみた。


「ほな、今度は違うキーワードで調べてみよか。とは言うても思い付く限り調べてみたつもりなんやけどな。それに、ハードディスクに保存して来たとは言え、リアルに調べるのにはかなり劣るからな。」


口ではそんな事言いながらも、順は器用にタッチタイピングでカタカタと忙しなく、色々な文字列を入力しては、首を横に振ったりして何度も色々試みてるようやった。


と、突然悲鳴に近い声で叫んだ。


「ああああああああ!!」


「こら!麻紀と心が起きるがな・・・。で、どないしてん?」


「実は風呂から戻ってきた後、それがしのリュックが置いたはずの場所から無くなってたんや。その後それがしの記憶では置いたはずのない場所から無事発見されたんやけど、目に見える物は何も無くなってへんかったんや。」


「それやったらええがな。大声出すほどの事ちゃうやろ?」


「いや、実はこのパソコンにはそれがしが崇拝するAKY48000のサイン入りデジタルブロマイドが仰山入ってるんや。」


「そんなもん、順の事やからバックアップ取ってるやろ?」


「それが、デジタルブロマイドには複製防止の為に、特殊なプロテクトが施されてるんや!但し消去も販売元に依頼せな出来ん仕組みやねん。」


「ほな、無くなってるんはおかしいやん!」


「所が、今マニアの間である噂があって、それによると、この世界では有名なブロマイド専門のハッカーがデータを移行するプログラムを開発したそうや。但し、遠隔では不可能で、直接パソコンから特殊な装置を使えば抽出は可能みたいなんや。」


「ちゅうことは、誰かが順のパソコンに直接、その装置を繋いでデータを抜き取ったって事か?誰が?」


「わからへんけど、それ以外に考えられへん。ハードディスクもチェックしてみたけど異常は見られへんし、他のデータは無事や。断片化したデータもチェックしたけど、ほんまにブロマイドのデータだけが消滅されてるんや。つまり、それがしが風呂に入ってる間に誰かがデータを直接盗んだっちゅうことや!」


「う~ん。俺は順より先に一階に下りたし、心も順とほぼ同時に下りてきたやろ?麻紀は俺以上にメカ音痴やから、パソコンの電源の切り方もイマイチわかってへん。せいぜいメールとブラウジングくらいしか出来へん。」


「ほな、残ったんは羊のおっちゃんとメイドの二人くらいやけど、奥田ちゃんに限ってそれはありえへんから、沼井ちゃんか羊のおっちゃんということになる。」


「まあ、あの短時間で外部からの出入りがあったとも考えにくいしな・・・。」


「あああああああ!買いなおせるブロマはともかく、ライブのじゃんけん大会でGETしたプレミアブロマが3枚もあったんや!ハードディスクごと売買したら30万以上は確実なレアブロマなんや!!!」


AYK48000・・・今をときめく48000人のメンバーで構成されたアイドルグループ。『あんまり空気読めてない48000人』の頭文字でAYK48000。麻紀も着うたにしとるし、俺も何曲かダウンロードして聴いてる。ただ、そんなディープな世界には興味はあらへん。ただ、順にとっては金額以上に相当のショックなようや・・・。そやけど、慰めの言葉が見つからん。


「で、どないするんや?データやからその辺探して見つかるもんでもあらへんし、使用人の三人の誰かが犯人やとしても、聞きだして白状するとは思えへん。」


「いや、それがしは絶対に犯人を見つけ出す!まずは羊のおっちゃんや!」


「お、おいっ!待て!一人で行動したらあかんって!」


あかん・・・出ていきよった。後を追うべきか・・・。とりあえず、心と麻紀を起こすことにした方がええな。

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