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まず、麻紀が口を開いた。
「多分、心ちゃんが最初に言うてた通り、ここはおかしいわ。まさかとは思ってたけど、変な出来事多過ぎるねん。まあ、四人で固まってたら大丈夫かもしれへんけど、一人になると危険や。」
なるほど、麻紀も相当怖い目に遭ったみたいや。次は誰や?順や。次は順が話始めた。
「それがしは、奥田ちゃ・・・じゃなくて、夜に山の中を装備も無しに歩くんは危険や。まして、山に関しては素人同然の心達やと、暖かくなったこの季節でも遭難したら命を落とす事もある。羊のおっちゃんとか、ちょっと行動が意味不明やけど、ええ人そうやし・・・。」
う~ん・・・。順はなんか違う理由でここにおりたいように感じる・・・。
最後に心の意見や。
「まあ、順の言うように夜の山は危険や。それは、俺と太一も、わずかの距離ではあるけど身を持って体験してきたばっかりや。暗過ぎて方向わからんへんどころか、足元さえまともに見えへん。」
たしかに、さっきは方向わかってたし、なんとか屋敷に戻れたけど、真っ暗で何も見えへんかった。まあ、スマホとか順がどうせ持ってきてると思われるライト類を使えば、ある程度は見えるやろけど・・・。
今の意見まとめると、ここに留まって朝を待つんが良さそうや。麻紀は離れんかったら安心や言うてるし、何よりも天秤にかけた時、夜の山の方が危険そうや。
「ほな、とりあえずはこの部屋で朝まで頑張るか。トイレとか、大袈裟かもしれへんけど、皆で行くようにしよ。麻紀は女子便やから俺らは中入る訳にはいかへんし、前で待つ事にするわ。」
「それもやけど、ウチ自分の部屋にカバン置きっぱなしやし、預けた洗濯物とかどうするん?」
すると、心が、
「カバンは一緒に取りに行こ。誰がドア押さえてる隙に取られへんかったら、閉じ込められる恐れがあるからな。」
と、立ち上がると、
「気になる事は先にしとこ!今から行くで!」
と言い皆で行くように促した。まあ、隣の部屋やし、たしかに荷物はまとめといた方がええやろ。急いで隣に移動すると、麻紀が部屋に入る。ドアは俺が押さえてる。すると、順が、
「わざわざ太一君の部屋に戻らんでも、このまま麻紀ちゃんの部屋におったらええんちゃうかな・・・。」
と、呟いた。ほんまや・・・。別に誰の部屋でもええねん。いちいち戻る必要もあらへん。
「ほな、このまま麻紀の部屋でええか。」
結局、麻紀の部屋にそのまま上がり込んだ。ドアを閉める時に、廊下を見回してみたけど、特に変わった様子はなかった。物音も特に聞こえへん。ドアを閉めると、部屋の中央に男三人は腰を下ろし、麻紀は、ベッドで寝そべりながらアクビをしていた。




