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ここからは再び太一視点で進みます。
俺は階段を下りると真っ直ぐ浴場に向かった。廊下は少し薄暗くて不気味に感じたけど、まあ、古い建物やし、LEDなんてもんとは無縁なんやろ・・・。
階段下りてUターンする形で通路を反対側に歩き、突き当りを右に曲がる。曲がる言うても右にしか行かれへんねんけど・・・そのままひたすら直進。一番奥まで来ると、左の扉に『浴場』と書かれてた。その引き戸の扉を開けると、背後で足音が聞こえた。多分、心か順やろ。
中に入ると脱衣所があって、奥に扉がある。脱衣所の棚には何も無いから、どうやら俺が一番乗りのようや。服を脱いで適当に籠にタオルや脱いだ服を放り込んでると、引き戸が開いて、心と順が入ってきた。
すると、順はダッシュで服を脱いで、
「お先!」
とか言いながら、浴室の方へ姿を消した。
「なんや、忙しないやっちゃなぁ!なんか急いでるんか?」
「あいつの事やから荷物が気になるんやろ。あのリュックは常に持ってんと不安や言うてたからな。まあ、気にせんと俺らはゆっくり入ったらええねん。俺も露天風呂の方が良かったけどな。後で麻紀ちゃん入り終わったら、執事のじいちゃんに聞いてみよか?俺らも露天風呂入ってええか。」
「おお、それええな!せっかく露天風呂あるんやったら、入りたいもんな!」
心が抜き終えるのを待って浴室に入ろうとすると、順が慌てて飛び出してきた。まだ、頭に泡が残ってる気がするんやけど・・・。
「ほな、また後で!お先!」
半分くらい濡れたまま、順は脱衣所から出て行ってもうた・・・。
「あれじゃ、風邪ひくんちゃうか・・・。」
「まあ、感染さへんかったらええけどな。」
俺と心は、浴室に向かった。中は四人分の洗い場と、奥には大きめのタイル張りの浴槽があるだけのシンプルな造りや。シャワーはなく、青色と赤色の蛇口をひねって自分で温度調節するタイプや。
「熱っ!」
なかなか温度調節がうまくいかへん・・・。そもそも、こんなん使うの初めてや。今時自動で温度設定あるしな・・・。悪戦苦闘しながらなんとか温度調整に成功すると、洗面器というか桶?を手繰り寄せてそこにお湯を投入。一気に頭からかぶる。
横を見ると、心も俺と同じで温度調節に手間取りながら奮闘してる姿が目に入った。二人はさっさと体と頭を洗い、浴槽へ向かった。
「まだ、九時くらいか?朝までだいぶ時間あるなぁ・・・。それに麻紀はあのメイド二人と大丈夫なんやろか?」
「麻紀ちゃん勇気あるわ。かなり危険やけど、止めても聞かへんし。まあ、順が上に行ったから、なんかあったら知らせてくるやろ。アイツ、ああ見えて運動神経はまあまあええからな。」
「まあ、俺らも早めに上がった方がええのはたしかやな。」
「そやな。ほな、上がろか。」
旅行じゃないし、ほんまはもうちょっと浸かってたかったけど今はそんな事言うてる場合ちゃうから、浴室から出ると、頭は適当に水気だけ取って、急いで浴衣に着替えた。たしか、着替えは執事のじいちゃんに渡すように言われてたんや。ここをでて正面の扉入ったらすぐ左側に調理場兼、控室があるから、そこに持ってくるようにって事やったから、俺と心は言われた通り目の前のドアから中に入った。




