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そう思って振り返ると、
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
今日、尻餅何回目やろ・・・。ええ加減、心臓も持たへんで。そう、振り返ると、そこには執事のおっちゃんが立っててん・・・。
「驚かせてしまったようで、申し訳ございません。何か声が聞こえましたので、何かあったのかと駆けつけましたが、どうかされましたか?」
どうもこうも、あんたが一番びっくりしたわ!って言いそうになるのをこらえて、
「あの、太一達はまだお風呂ですか?」
と、震える声で尋ねた。すると執事は不思議そうな顔をして、
「随分と前に上がられましたよ。もう二階にいらっしゃるのでは?私の知る限り、二階に上がるのは拝見しましたが、その後、一階では誰もお見かけしておりませんが・・・。」
う~ん・・・。でも、二階に人の気配は感じへんかった。まあ、一階にはおらん言うてるんやから、やっぱり二階に戻ろか。
「ありがとう。二階に戻ってみるわ。」
「何かありましたら、いつでも言ってください。」
ウチは軽く会釈すると、おっちゃんの横を通りぬけて、階段へ向かった。そのまま一気に階段を駆け上がると、とりあえず太一の部屋をノックしてドアノブをひねる・・・あかん。返事も無いし、鍵がかかってる。次に心ちゃん、順ちゃんとノックするけど返事がない。どこも鍵かかってるし、声も聞こえへん。
で、ふと奥の方を見ると、たしか社長さんの部屋?の扉が半分開いてる。どないしよ・・・まさか太一ら、入らんように言われてんのに入ってんの?いや、いくら太一でも言われた事は守りよるし、やっぱりあれもトラップ?
もう、部屋に戻るしか選択肢残ってへんってこと?あかん・・・心ちゃんの考え方が感染ってもうたわ。ドラマや映画の展開とダブらせてまう・・・。
そう考えると部屋に戻るのは危険やねんなぁ・・・。寝てると寝苦しくて夜中に目が覚めて、金縛りや。で、全然知らん、なんでか血だらけの人が乗ってくるねん。慌てて振り切って部屋を飛び出す・・・外に出る、先回りされてて、目の前に現れる・・・って、足速すぎるやろ!オリンピック出れるで・・・ほんま。
おっと、妄想はこの辺にしといて、現実問題、これからどうしよか。朝までめっちゃ時間あるし、部屋にあった電話も内線以外繋がらへんやろしな。警察に電話するんが一番早いのに・・・。
なんかええ方法無いやろか。意表をついて、もう一回風呂入ったろか。それとも罠とわかってても、あの社長さんの部屋に入る?もしくは、外に出てみる・・・。
と、立ち止って考えてたら足音が聞こえてきた。
太一?いや、この際、心ちゃんでも順ちゃんでもかまへん。どっちからやろ。後ろ?いや、前からや。メイドや!奥の廊下をこっちに向かって来よる。ちょっとうつむき加減で、髪の毛も乱れてるやん。まさしく幽霊チックや。
と、誰かに肩を掴まれた。え?なんで?っていうか誰?
すでに心臓が破裂しそうやったけど、思わず反射的に振り返ってもうた・・・。あかん、恐怖のあまり声も出ぇへん・・・。そこにはもう一人のメイドが立ってた。こっちはすごい形相や。ウチはなんもしてへん・・・ウチは・・・。
目の前が真っ白になって、なんか最後に声が聞こえた気がしたけど、それも気のせいかもしれへん・・・ウチ、このまま死ぬんか?まだ・・・いっぱ・・・・・・やり残・・・・・・




