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しばらくは四人、他愛のない会話をしながら、運ばれた飲み物を飲み干した。ちょうどそのタイミングを見計らったかのように、執事の竹川が姿を現した。
「皆様、お風呂の準備が整っております。沼井から聞いていると思いますが、よろしければ、今からお部屋にご案内いたします。各部屋にタオルなどご用意させて頂いておりますので、まずは荷物などをおかれましてから、男性の方はこの部屋の奥の扉から浴場に行けますので、お願いいたします。女性の方は、二階奥の使用人控室におります、沼井、奥田にお声掛けして頂ければ、露天風呂へご案内させて頂きます。では、こちらへ。」
俺たちは執事の後について二階へ上がった。階段を上がり切るとそれほど長くない廊下が続いており、突き当りを右に進むと使用人の部屋や控室、そして露天風呂があると執事が話しながら、
「皆様方のお部屋はこちらでございます。」
と、反対側へと案内された。こちらもすぐに突き当り、廊下は左側に伸びていた。どうやら廊下はぐるっと一周しているようや。左に曲がると、真っ直ぐに結構な長さ廊下は伸びてて、左右に扉があった。これらがどうやら俺たちが世話になる部屋のようや。
「左右、手前から二部屋ずつ、どれでもお好きな部屋をお使いください。一番右奥の部屋は田代夫妻のお部屋となっておりますので、くれぐれも入ったりしませぬようお願いいたします。その向かい側の部屋が私の部屋でございます。夜12時以降は部屋に戻っておりますので、何かありましたら、内線9番か、直接お越しいただいてもかまいません。さらに奥を左に曲がりますと、ちょうど露天風呂の入り口となります。つまり廊下は一周しております。あと、右側の部屋にはバルコニーがついております。非常口は、露天風呂入り口のこちらから見ると手前の扉となっております。鍵は4部屋分お渡ししておきますので、ご自由にお使いください。では、失礼いたします。」
鍵を俺に手渡すと、執事は来た道を戻り1階へと姿を消した。さて、バルコニーのある部屋の方がなんとなく安全な気がする・・・。まあ、まずレディファーストっちゅうことで、麻紀にまず好きな部屋を選ばせた。トイレは部屋には無く、ちょうどバルコニー側の部屋の隣に二か所設けられていた。麻紀は手前の右側の部屋がええそうや。ちょうどここが21号室って書かれてた。そのまま隣が22号室。左側のバルコニーが無い部屋が手前から23号室、24号室となってた。その他の部屋は、使用人の名前が書かれてるようで、23号室の裏側の部屋が、沼井、24号室の裏が奥田。執事の竹川の部屋は24号室の隣で、その裏側が使用人控室兼、簡単なキッチンなんかがあるということや。田代夫妻の部屋はひとつだけ扉も他とは違ってゴージャスやからすぐわかる・・・。
「さて、残った男子共。ここはジャンケンで決めようやないか!」
俺はきっとみんなバルコニー側の部屋がええやろと、じゃんけんを提案したが・・・
「いや、旅行ちゃうねんし、どこでもええわ。」
心は適当に俺から鍵をひとつ奪う・・・続いて順も、
「コンセントがあればそれがしもどこでもええし・・・。」
同じく、残った鍵の一つを適当に取った。残った鍵は22号室・・・おっ!バルコニーの部屋やん!って、はしゃいでるのは俺だけのようや・・・まあ、どうせ誰かの部屋に集まるんやろから、どうでもええんやけど・・・。
「ほな、準備したら1階に集合な!麻紀は2階やけどな。」
俺の一言で各自、部屋に入って行った。どうやら心が23号室、順が24号室のようや。俺も鍵を開けて部屋に入った。まあ、荷物は順しかないか・・・。まあ、麻紀もちっさいカバンは持ってるけど、荷物のうちに入らん。
部屋の中は8畳・・・いや、12畳くらいあるやろか?入って右側にベッドがあって、億には大きな窓がある。その内の一つは扉になってて、バルコニーに出られるようや。後は、小型のテーブルと棚、後は服をしまうタンスがあるくらいや。まあ、ここは別荘で、ホテルや旅館と違うから、まあ、こんなもんやろ。テーブルの上に用意されていたお風呂セットを手に取ると、俺はすぐに部屋を出て1階へと向かった。




