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「やっぱりあの二人可愛いな!どっちが好みや?順は?」
心はカレーライスを無警戒に口に運びながら順に聞いた。それに答える前に麻紀が叫ぶ。
「これ、めっちゃ美味しいやん!ホイヤルロストのビーフカレーそっくりや!」
よく見たら、俺以外、何の躊躇いもなく食べてた。まあ、皆お腹空いてたんやろ。見た所、特に問題も無さそうやし、俺も食べる事にした。順は二、三口頬張った後に、
「ど、ど、どっちも可愛いけど、や、や、やっぱ拙者は・・・あ、あの、た、た、竹川さんがええわ!」
拙者???それがしじゃなくて???いや、それより、何より、竹川って執事のじいちゃんやろ!その程度の質問で動揺し過ぎやっちゅうねん!
「あんた、あの執事のおじいちゃんがタイプなん?」
麻紀もちゃんと名前は覚えてたようで、ここは抜かりなく突っ込んでくれた。しかし、これが災いした・・・。
『ブ―――――――ッ!!』
順が動揺しすぎて、カレーを噴出したんや・・・。麻紀は怒るかと思ったら爆笑や。それもそのはず、そのカレーは俺の服に飛んできたんや・・・。
「おいっ!順!何するねんっ!あ~あ。カレーは服に着いたら取れへんねんぞ。」
「か、かたじけない・・・」
だから、使い方おかしいって・・・。もうええわ。と、服の事は諦めてたんやけど、今の騒ぎを聞きつけて、メイドの二人が部屋に入ってきた。
「どうされましたか?まあ、大変。すぐに着替えをお持ちしますので、着替えてください。乾燥機も常備しておりますので、急いで洗えば明日の朝までにはなんとかなると思います。」
そう言って、もう一人のメイド沼井に指示を出すと、奥田はタオルを持ってきて、綺麗にテーブルや床などを拭いてくれた。どうやら、奥田ってメイドの方が先輩のようや。奥田は肩くらいまでのサラサラヘヤー。一方の沼井は背中くらいまで、こちらも見事なサラサラヘヤーや。順は部屋を出ていく沼井の方に見とれてたから、どうやら沼井がタイプらしい。
もっとも、心の言う事が正しければ、どっちも幽霊っちゅうことになるんやけどな・・・。着替え終えると気を取り直して食事の続きや。たしかに美味しくて、全員がおかわりした。
「いや、食った食った!ほんま美味かったわ。ちゃんと満腹になったし、今のところ異常もないみたいや。」
心は背伸びして立ち上がると、テレビの方へ歩いてチャンネルを回す。が、うっかり忘れてたのか、諦めてソファーに戻ってきた。
「ついつい、いつもの癖で食後のニュース番組を見ようとしてもうたわ。それにしても見た事のない番組ばっかりやな。さて、これからどないするんや?」
ここから、朝まではまだかなり時間がある。どう考えても暇つぶし出来そうなものは見当たらへんし、困った。食事を終えると順はまたPC引っ張り出してガチャガチャやっとるし、麻紀はもう寝そうな勢いや。




