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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第三章 田代館
22/90

3-3

「まあ、食べ物は大丈夫やろ。実際胃に入るんかはわからんけどな・・・。」


心の言いたい事をまとめると、ドラマなんかやと、主人公が大人しく食事ご馳走になって、寝ればええものを、いらん好奇心から、建物内を探索したり、住人にいらん詮索したりして痛い目に遭うから、ここは大人しく朝を迎えるんがベストやと言う事のようや。


そう上手いこと、ことが運ぶとええんやけどな・・・。とりあえず俺ら四人は歩き疲れたのもあって、食事が出来るまでの間寛ぐ事にした。


麻紀は必死でザッピングしてるけど、どの番組も映りは悪いし、明らかに古い番組しか流れへんから、諦めて、興味も無いくせに、壁に掛けられた絵画を難しい顔して眺めてた。


順はノートPCに何やらハードディスクらしきもん繋いでカチャカチャやり始めた。


心は、順が読んでた新聞に目を通してる。


で、俺はというと、正直眠くて死にそうや。必死で睡魔と格闘中ってとこや。現実味の無い出来事の数々に疲労もピークやった。車も心配やしな・・・。


そんな中、順が声を挙げた。


「見つけた!見つけたで!」


「何を?」


一斉に皆が順を見た。


「実は、ネットが繋がらへん環境に遭遇した時のために、普段からある程度検索サイトを丸ごとバックアップしてハードディスクに貯め込んどいたんや。リアルタイムでは無いけど、オフラインで検索エンジンが利用できるっちゅうわけや。」


こういう事には抜かりの無い男やな。細かい事はよくわからんかったけど、問題は何を見つけたかや。


「田代霊園で検索しても見つからへんって言うてたやろ?それがしなりに色々キーワードをアレンジしながら検索してたら、ようやく田代霊園について、載ってるサイトを見つけたんや。」


「それで、どんな事書いてあるんや?」


「あんまり細かい事は載ってへんかってんけど、田代タシロ マモルっちゅう人が田代霊園を設立したようで、他にも色々なビジネスで成功を収めた大富豪なんや。ホテルとかレストランとか色々手広くやってたみたいや。」


「まあ、この建物見ただけでも、かなり豪華やし、大金持ちなんはわかるわ。他には?」


「所が昭和32年4月19日に、夫婦で旅行に行ったまま行方不明となり、数日後、二人は遺体で発見されたそうやけど、死因はわからんまま、結局、事件なんか、事故なんかもわからずじまいやったそうや。二人の間に子供はおらんかった事もあって、会社はその後倒産。田代一族の名は世間から忘れさられたという事みたいや。」


なるほど・・・と、皆、疲れているせいもあったのか、黙って聞いていたが、ようやく内容を理解したのか、その顔から血の気が引いていた。


「ちょ、ちょっと待て!昼間、ちゃんと田代霊園もあったし、他の会社が今も運営してるんやろ?」


「細かくは載ってへんけど、当時の遺骨なんかは他の霊園に移されて、田代霊園自体は翌年の昭和33年には無くなったと書いてある。」


え?じゃあ昼間見た田代霊園は一体なんやねん。それに、たしかさっき執事のじいちゃんが主人は旅行中言うてたやん。あかん、疲れてるから頭が整理できん。もしかして、寝てもうて夢見てるだけなんか?もう、訳がわからん・・・。

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