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怖恐 ~ 田代館の恐怖 ~  作者: くきくん
第二章 田代霊園
18/90

2-9

さて、とんでもないタイミングで邪魔が入ってしもたが、結局、一瞬電波を拾て、受信しただけのようで、その後、四人で何度か空にスマホ向けたりして電波確認したが圏外のままやった。


結局、電波拾うのは諦めて、再び右ルートか左ルートかっちゅう選択を迫られた。ここでは、どっちへ行った方がええっちゅう奇妙なメールも受信せえへんし、悩んだ末にやっぱり右ルートを進む事にした。心も最終的には納得した様子で、ここでも自ら進んで先頭を買って出た。


上りもしんどかったけど、実は下りもキツい。比較的歩きやすい道ではあったけど、時々太い根っこに足元をすくわれてコケそうになる。


それに乾燥した土は、思いのほか滑りよる。まさか登山するとも思ってへんかったから靴も歩きにくいし、麻紀はよくスニーカーを履いて来たなぁ・・・と、驚いたくらいや。結構ヒールの先がついたようなブーツが多いから、あんなもん履いて来てたら、裸足で歩くしかなかったで・・・


時計はすでに16時を回ってた。だいぶ陽も落ちてきたし、このままスムーズに行ってくれへんかったら厳しいなぁ・・・そう思いながら、特に会話することも無く歩き続けた。


「みゃあああああああああああ!」


またかっ!また順かっ!


「あ痛っ!」


振り返ると、麻紀が順を殴ってた・・・


「もう、ええ加減にしぃや!今度はなんやねん!」


麻紀もきっとかなりビビったんやろ・・・その反動からか相当キレてる。


「か、かえる!?」


おいおい!今度は順が逆ギレか!


「帰るも何も、すでに道迷ってるっぽいで・・・」


「ち、違う!カエル!ぴょんぴょん跳ねるカエルや!しかもデカい!」


震えながら順が指差す方を麻紀が見る!


「きゃあああああああああああああああ!」


今度は麻紀も悲鳴・・・静かな山にその声がコダマする。


「たかがカエルくらいで二人とも・・・うおっ!」


そこにおったのは見た事もないくらい巨大なカエル・・・多分ウシガエル・・・ってこんな所にウシガエル?まあ、詳しいことはわからんけど、とにかくデカい!アマガエル180匹分くらいの大きさ・・・いや、例えが悪いか。多分バレーボールくらいあるやろか・・・これ、捕獲してどっかの機関に持ち込んだら、新種で名前付けれるちゃうんか!と、思うくらいデカい!


「ゲゲココゲゲココゲロゲロゲ!」


鳴き声が変や。でも、よく見るとなかなか愛くるしい顔しとるがな。そやけど、今はそれどころちゃうねん。とてもお前を抱いて下山するのは無理や!その思いが届いたのか、そのカエルはノロノロと木々の間を奥へ消えて行った。


心は見にさえ来ない・・・順との付き合いが俺らよりも長いからいつもの事やっちゅう顔でこっちを見てるだけや。


「それにしてもデカかった。写メ撮っとくべきやったわ。」


「あほかっ!あんなキモいのん写メとかありえんし・・・見てみ!まだ鳥肌マックスや!」


さすがの麻紀もカエルは苦手みたいや。順は腰が抜けたんかその場でへたり込んでるし。


「さっさと行くで!たしかにあれは爬虫類系が苦手な人間にはキツいと思うわ。でも、なかなかお茶目な顔してたで!痛っ!」


今度は俺まで麻紀に殴られた・・・


これで蛇でも出たら、一体順はどないな反応するんやろかと思うと、恐怖に近かった。あの黄色い声は脳に響くからな。それに蛇とか確実に出そうな道やしな・・・。きっと順は幽霊より爬虫類の方が怖いんやと思う・・・。


そんな事を考えながら下っていると、前を行く心が突然立ち止った。

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