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なんか無茶な例え話やのに、妙に納得してる二人が、俺を見つめてる・・・
まさか、俺が今の例え話のせいで間接殺人犯になってる?
「麻紀!順!今のは心の例え話や!そんな目で見るな!あほ!」
「世の中にはそれがしと違ってネイティブな人が多い。それがしみたいにポイティブやったら、ええんやけどな!」
ネイティブ?ポイティブ?ネガティブとポジティブの間違いやと思うで・・・調子乗ってわからん英語使うと恥かくで!
「まあ、そういう訳で、さっさと車を移動や。」
え?誰もポイティブにツッコミ入れへんの?そこスルー?
っていうか、これはすでに三対一で俺が不利や。黙って言う通りにしとこ・・・。なんやかんやで、すでに10分くらいは経過したやろ。
俺はバックギアにシフトを入れてゆっくりバックさせると、ハンドルを切り、シフトをドライブへ下げた。
もしや?と、思ったがすんなり車は門の前まで辿り着いた。
「よし、今のところは順調や。せやけど油断は出来へんで!順!ほんまに自衛隊の件大丈夫か?もし遅くなって暗くなってもうたら、大問題やで。今は三時過ぎや。あと三時間もすれば暗くなり始める。」
「多分大丈夫やと、思うけど、もう一回聞いてみるわ。」
そう言うと順は、衛生無線を取り出して、操作し始めた。って言うても、なんかボタン押しただけやけどな。
「おかしい!おかしいで・・・。」
「どないしたんや?」
俺と心が同時に聞く。麻紀も隣で不安そうな顔をしてる。
「電波状況は問題ないんやけど、繋がらへん。」
「叔父さんがたまたま近くにおらんだけちゃうの?」
「いや、呼び出しにさえならへん。ランプは緑やから、携帯で言うバリ四状態やねんけど・・・まあ、こんな時の為に他の通信手段は確保してるけどな!」
今度はリュックから、タブレットやら、ノートPCやら、スマホを取り出すと素早く電源を入れ、スマホでテザリングを始めた。
「・・・。ぜ、全滅だす。ピッチも、ドドモもcuもハードバンクも、エエモバイルも、圏外や・・・。終わった。無理や、死んだわ。」
おいおい!ポイティブなんちゃうんかいっ!って、それはちょっとマズくないか・・・。気になって俺も自分のスマホを確認する。やっぱり圏外や。麻紀のもあかんようや・・・心も首を横に振ってる。
「向こうもなかなかやるやないか!順!フォーメーションDに変更や!」
「ラジュー!」
だから、ラジューってなんや!そこは間違えへんやろ!普通!それに、なんや、そのフォーメーションなんちゃらって・・・
いつの間に打合せしとんねん!
「まあ、この程度は想定内や。但しこの場合、車からは降りなあかんけどな。ええか、まずここには俺たち以外の人間はおらんと思え!」
「いや、普通におるやん。あそこにも何人かおるし、売店にもおばちゃん二人おったやん!」
「おいおい、あれはどう考えてもこの世の者ちゃう!よく見てみ。駐車場に俺たちの車以外見当たらへん。近くに民家とかあらへんし、小さい子供や老人おるのに、歩いて来たとは考え難い。」
バスかもしれへんがな・・・。
「バスも考え難い。そもそも、地図には、田代霊園が載ってへんねん。地図に載ってない所にバスだけは運行してるなんてありえんしな。」
なかなか、鋭いな。たしかにそれは一理あるわ。
「そうなると、答えはひとつ。あの人達はエキストラや!それもあっちの世界のな。」
あっちってどっちじゃ!
「エキストラは、基本襲ってけえへんけど、あまり近づくと脅しくらいはあるかもしれへん。但し、売店のおばちゃんは名前くらいは与えられてるかもしれへん。むやみに近づくと、危険や。」
ますます言うてる意味がわからん。っていうか、心ってこんなにホラーオタクやったかな・・・。長い付き合いやけど、知らんかったし・・・まあ、たしかに肝試し企画するんは心やったけどな。で、これからどうするんや?それがわからん。
「心ちゃん心ちゃん!それやったらわざわざ車を降りんでもええんちゃうの?」
ええ、ツッコミや!麻紀!俺もそう思う。




