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さて、俺は車を降りる前に、まず、売店や待合室なんかを見回してみた。
待合室には、親子やろうか、小学校低学年くらいの男の子と二、三才の女の子、それにお母さんと、お祖母ちゃんやろか?四人でテーブルの席に座ってた。
その奥の多分喫煙スペースやろか?そこで、お父さんとおぼしき男性がボーっとタバコを吹かしてた。
他には老夫婦やろか、二人でカップのコーヒーらしきもん飲んではるわ。
誰もおらん訳や無いから、きっとここは普通に霊園で、たまたま俺の運転が悪かったんか、道に迷ってここへ来てしもたんやろ。
まあ、地図に載ってへんかったり、門がしまったりと、変な事も起こってるけど、最近出来たばっかりで、まだ地図には載ってないだけかもしれへんし、門も、なんかの手違いでしまっただけや・・・
そう言えば、メール・・・
それも、あそこにおる家族が誰かに送るのを間違って俺に送ってしまったんかもしれへし、心や順は明らかに霊の仕業的なノリにしたいんかもしれへんけど、残念ながらその線は無さそうやな。
「ええか!皆!ここからはスピード勝負や!車から降りる前に買うジュースも決めとくんやで!、」
心は相変わらず、何かにやられる説を期待してるんか、興奮気味や。でも、まあせっかくの休みやし、どうせあと30分もすれば・・・いや、もし事務所に行って頼めば門を開けてもらえ、すぐにでもここから出られるかもしれん。そう考えたらここは心のノリにしばらく付き合って楽しむのもありか・・・。
「俺はコーヒーや!」
真っ先に手を挙げて俺は宣言した。そしたら心は首を横に振って、
「あかんあかん!コーヒーなんて利尿作用がきついねん。そしたら、トイレ行く羽目になるでぇ。これは定番中の定番や!あまりオススメは出来へんな。」
別にトイレもすぐそこやし、別にええがな・・・まだ2時過ぎで全然明るいし何も問題あらへん。
「大丈夫や!俺はコーヒーでええねん。」
「知らへんでぇ。俺はどうなっても。と言うわけで俺はオモロナインCにするわ。」
「ウチは128茶!30円足らへんで!太一!あと30円頂戴!」
なんで、高価なペットボトルにするねん!と、言いつつも俺は黙って財布から30円取り出して麻紀に渡した。
「順は決まったんか?」
「そ、それがしは・・・み、水を買うでござる。」
だから、その変な喋り方はやめぇ!一体誰やねん・・・
「ほな、一斉に行くで!ええか!ダッシュや!もし、小銭入れるのに手間取ってもうた場合は諦めて、車に戻るんやで!ええか?3,2,1、今や!」
心の掛け声と同時に俺たちは一斉に車を飛び出した。うわっ!麻紀と同じ自販機に向かってもうた・・・まあ、コーヒーは隣でも売ってるわ。大体、皆、ほぼ同時にジュースを買い終えると、車に戻る。が、ドアが開かない・・・
「おい!太一!何やってるねん!さっさと鍵開けてくれ!」
「それがそもそも鍵なんて閉めてへんし、何度やっても開かへんねん。」
俺は何度もリモコンのボタンを連打した。
「もしかして、CLOSEを押してへん?」
「へ?」
よく見たら俺はCLOSEのボタンを連打してた・・・。なんやかんやで、俺も動揺してるんやろか。不覚にも初歩的なミスをやってもうた。
「もう!頼むわ!ただでさえ、危険やのに、閉めてどうするのん!さっさと開けてや!」
あかん・・・麻紀も完全に洗脳されてるわ。俺は今度は間違わずにドアを開けた。麻紀達は我先にと車内になだれ込んだ。




