10話
難産でした
神の領域
そこには2人の美しい女神達が、進化を遂げたオーガ〈希少種〉を、水晶でじっと見ていた。
美の女神「あんたやり過ぎ…異世界に飛ばされてすぐに、この敵の強さはまずいでしょ」
運命の女神「ふぅ…邪魔をしないって、先言ったばかりでしょ」
ギロリと音がしそうなほど目を向ける女神
美の女神「いや~でもやりすぎよ。あんなに強化しちゃって」
運命の女神「彼なら大丈夫…最初は怒って強くし過ぎちゃったけど…
でも大丈夫よ、彼は運命を切り開く才能があるもの。」
美の女神「あんたね~何回目よそうやって酷い試練を人に与えて、ダメにしちゃうの。」
運命の女神「一応言って置くけど、私は彼に試練を与えるのは、これがはじめてよ。異世界に行く前から気になってたけど、異世界に飛ばして試練を与える程、気に入ってなかったもの、彼は自分の力で神の領域に入り、そして異世界に行ったのよ。後ね、行く前から度々不幸と言う名の試練も、自分から向かって、乗り越えてるもの。」
美の女神「うげっ!なにそれ!!!規格外過ぎ!」
そう規格外なのだ運命の女神からのいたずらで試練を与えられる人間は数多い。しかし、自ら運命を変える人間はほんの一握り…しかも神の領域に達するなど前代未聞だ。
運命の女神「そう…だからね、彼は面白いの…あぁ早く強くなって私の元に戻ってこないかしら…」
クネクネと体を動かす運命の女神…
美の女神「……………。」
その様子を見て美の女神は呆れて黙ってしまったのだった。
所変わりリモーネの街
トシ達はゴブリンを狩ったあと更に数匹のゴブリンを狩り、街に引き上げてきた。
トシ「換金終わったよ。」
トシは換金を受付で済ませて、リン達の居る酒場にやってきた。
リン「ありがと~ほらトシも食事しよ~」
リンに促され席に着き、食事をはじめる。
トシ「ところで、チームに俺が入る話はどうなったのかな?」
そもそも、今回の狩りはトシの実力をリン達の3人にわかって貰い、チームに入る為のものだ。
リン「チームに入ってくれるの?なら私達は問題無いよ!」
どうやらリン達は俺を認めてくれたらしい。
トシ「では改めて、よろしくお願いするよ。」
リン「やった!じゃあ今日はお祝いだね!うーんあとチームの名前も決めようよ~」
トシ「チームの名前?」
リン「うん!名前。別に決めなくても大丈夫なんだけど、他のチームはどこも名前を決めてるの。」
名前ね…
トシ「へぇ~例えばどんな名前があるの?」
リン「うーん、例えばね、この街で一番強いチームは、烈火の剣ってチーム名だよ!凄い強いチームなんだよ!かっこいいな~私達もかっこいい名前にしようよ~」
烈火の剣だと…!
中二過ぎる…恥ずかしいからやめて~
こうして楽しい夜は過ぎていくのだった…
翌日に、そのチーム烈火の剣が行方不明のチームを捜索する為に、南の森に行き行方不明になることも知らずに…
うぁ~