1/3
輪珠の唄――始まり
あの日の出来事を、覚えていますか?
あの日の出来事は、幻ですか?
それに答える者はいなくて、ひっそりと、鈍く薄汚れた小石のように、足元に転がるそれを、私達はただ……
気づいて
でも見ぬふりをして
あるいは気づかず
忘れ去る
けれど時に
振り返って
拾って
語って
次の命へと引き継げて
そして……また消えてゆく
けれど
散りばめた宝玉の残骸のようでもある、横たわるそれは
煌めくそれは
魂の輝き、生きた証、辿った軌跡
どんなに小さく微かな輝きでも、それは私達を形作る、かけらとなる
今の私達は、本当に実在するのですか?
今の私達は、ただ消えゆくものですか?
その答えは、答えられることのまま。
でも手元に残る小さな石は確かに、
その日、今この時のことを記憶しているのだろう。
例え、誰に忘れ去られようとも。