prologue1 些細なきっかけ
作者の妄想全開の戦記物です。続くかどうか心配ですが、良かったら読んでいってください。
白銀の雪原に足を突っ込みながら駆ける少女がいた。
空には朝日が照って、空も澄み切っている。
だが、そこは暖かいわけではなく、体を突き刺すように寒い。
彼女が目指す先には簡素な飛行場があった。
もちろん、アスファルトなどを敷いているわけでもなく、大体長方形の形に除雪されているだけだ。
彼女は今日からその飛行場に配属されたパイロットである。
***
「私、飛行機に乗りたいんです」
高校の進路面談で私、黒河 由里は担任におもいっきりそう打ち明けた。
すると彼は、冗談だろ?とでも言うような顔をしてこう言った。
「冒険飛行家の時代はもう終わってるんだぞ、雑誌かなにかで仕入れた情報だろうが、はっきり言って無理だ」
確かに彼の言うとおり、私は週刊誌の立ち読みで女性冒険飛行家の話を読んだためにこんな事を言っている。
「女だからですか?」
「別に。ただ、宝くじのような確率・・いや、その何倍もだ・・そんなのに賭ける人生でいいのか?」
「いいです」
「飛べるなら何でもいいんだな?」
「厳しい労働や訓練が必要でも?」
「・・はい」
「窓際でもいい?」
「・・・はい」
実を言えば、私はこんな壮大な夢を持っているわけではなかった。
突拍子もないことを言って、彼を困らせようと私の友人たちと計画を練っていたのだ。
彼はため息を吐いて、少し間を置くと
「放課後、私に付いてきなさい」
と、だけ私に言った。
面談が終わると、私はその友人たちに取り囲まれる。
「で、どうだった?」
「困ってたのかは分からないけど・・放課後呼び出された」
「怒らしちゃったのかな?」
「そうでもないんじゃない?」
こうして、私達の計画は完全に空振りとなった。
感想などがありましたらどうぞ。
あと、その当時の日本に高校なんてないですが、そこも、架空ということで宜しくお願いします。