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ミチ ヲ キク

不思議な物語です。

ボクは30代のどこにでもいるサラリーマン。

自分で言ってて「どこにでもいる」が過言じゃないのが少し悲しい。


営業職。本当に平均的な風貌。


中肉中背ではないが、痩せすぎでもない。

ややタレ目。目を思い切り見開かなければ、

笑顔に見えるそうだ。

そんな人畜無害な風貌のせいか、

街に行くとよく話しかけられる。


「このへんに〇〇クリニックはある?」

「このへんに〇〇ホテルはないかな?」

道を聞いてくる。

「今日は暑いね〜」

「雨が降りそうだね〜」

天気の話を聞いてくる。


99%が70代以上の高齢者。

iPhoneを持っているおばあちゃんもいた。

でも、聞いてくる。

画面のアプリがどうなっているか是非見てみたい。


残り1%は外国人。

「コノヘンニ ラーメン

オイシイ アル?アルデンテ?」

というラーメンかパスタかわからない

店舗を聞いてくる。

自分の風貌はグローバルに

人畜無害らしい。



※ーー


今日は街の取引先に行く。

取引先が希望したサンプルの納品と打ち合わせ。


無事終了。


帰りの駅に向かう途中、人通りの少ない道を

選んだ。選んだはずだが…


案の定、話しかけられる。


ボクのうしろから若い男性の声がした。


「スミマセン!」


はいはい〜。こちらとら営業職。

邪険にはしませんよ。

誰の目があるかわかりませんからね。

若い声だから外国の方かな〜

と思って振り返る。


「はい、どうしました〜?」


と聞く。慣れたもんだ。


「す、すみません!忙しいところ!

ひとつ、お、お聞きしたいんですが…」


あれ?!どうみても日本人の青年…の

顔立ち。18歳ぐらい?少し日焼けしてる。

やや長めで、真ん中分けの黒髪。

結構、イケメン!…だと思う。

目鼻だちも整っているし。

ただ…眉毛が太い!味海苔みたい!


身長は170センチぐらいで筋肉質

…なのかな?

テカテカしたグレーの長袖シャツを着ているが、そのシャツが喉仏の上までピチッときている。胸筋や鎖骨の浮き上がりがシャツの上から見てとれる。

そして、グレーの長ズボン。

なにかのトレーニングの最中に

スマホを無くしたのかな?

そんな推測が頭に浮かんだ。


だが、青年の質問はそんな推測を

ぶち壊すものだった。


「あ!あの、今、西暦何年ですか?!」


「え!?」


一瞬、右の口角が上がった。

あれ?!ドッキリ?!ww

タイムスリッパーかよww


しかし、青年の少し困った表情は

あまりにも真剣。

心から質問しているように感じた。


「あ、えっと、今は西暦2026年ですよ」


「あ!やっぱり!2000年代ですね!

良かったぁ!」


えぇ〜www良かった〜www

はい、タイムトラベラー、乙ぅww

はいはい、ドッキリ系?ユーチューバー?

イケメンで演技うまいし。


「あの!スーパーテングマンは

この街にありますか?」


「スーパーテングマン???」


「あ!スミマセン!

スーパーテングマンって存じてますか!?」


「いやぁ〜、存じあげない、

知らないですww」


やばいww 笑いそう。


「スーパーテングマンは

まだ出来てないのか…」


未来から来てるぅ〜!ww

青年がボソッとはきだした「まだ出来てないのか」に少し吹き出してしまった。


「ぷっ…ゴ、ゴホン!あ、あの、

もう行ってもいいかな?」


そう聞くと青年は、


「す、すみません!最後にひとつだけ

聞かせてください!」


とひきとめた。


「ん?なにかな?」


「あの、今、あなたはメリケンをどう思いますか?じゃなくて!…

えっと…あ!そう!2026年に

メリケンは日本と敵対してますか?!」


「メリケン???」


頭に「?」がたくさん浮かぶ。

メリケン?メリージェーン?

メリケンサック?メリケンと言えば、明治時代のアメリカの呼び方だった気がする。


「ああ!スミマセン!

今はアメリカ合衆国!あの…USAですかね?」


アメリカだったぁ〜ww

明治時代 乙ぅ〜www

未来か過去かキャラ設定をしっかりしろよww


「ああ、アメリカですねぇ、

日本とは敵対してないですよ〜。同盟国です〜」


かろうじて敬語だが、半笑いで答えた。


「ありがとうございました!

よし!まだ間に合う!」


「そうですか〜ww良かったですね〜ww」


「伝説の通りすがりさんに会えて幸運でした!」


「え?」


青年の身体が紫の光に包まれる。

ブラックライト?

暗めのカラオケルームに入った時に見るような光。


「えええ!?」


ボクはキョロキョロした!

通行人はボク以外にいない。50メートル先に動いている車はいるが、こちらの光には気づいていない。紫の光はどんどん大きくなっているというのに。

紫の光がボクの方まできた。


「わわわわ」


紫の光はボクに触れた部分が青くなった。

痛くもかゆくもないな…。

なんだろう、これは?


「ありがとうございました!

お礼と言ってはなんですが、

あなたの病気は全部治してます!

それでは、また!あの時代で!」


「どの時代!?え?どういうこと?!」


バシュッ!


青年から半径7メートルまで広がった大きな光は

一瞬で中心へ圧縮され、短い音をたてた。


青年の姿は消えていた。


「えぇ〜…」


まさに白昼夢…なんだったんだ。

今のは…。

不安になって胃のあたりをさわる。

あれ?荒れてた胃の調子が軽い。


…あの時代?って、どの時代?


ボクは人に道を聞かれることが多いけど、

今日は誰かに道を聞いてみたい気分だった。


「ボクが生きている

この道は今どのへんですかね?」

と。






作者のワタシ自身、よく街で道を聞かれたり、声をかけられたりします。知らない方から…。

本編にもあるように99% が

おじいちゃん、おばあちゃん(´・ω・`)

iPhone13が売り出されたころに、iPhone11を持っている おばあちゃんが道を聞いてきたことがあります。おばあちゃんはiPhoneをワタシに見せながら「娘に言われた通りグウグル、Gのマークを押してるんだけどねぇ、服ばっかり画面にでる」とのこと。

おばあちゃんっ!確かにGと書いたアプリ押してる!

でも、それ「GU」のアプリ!ユニクロ関連の「GU」のアプリっ!!笑っては失礼かと、口角や眉毛がピクピクなりながら、Googleアプリを教えた記憶があります。(結局、Googleアプリも使えてなかったけど(>_<))これはノンフィクションですが、本編は一応サイエンスフィクションです(`⸝⎚⩊⎚´)

読後感が良ければ幸いです!(っ ॑꒳ ॑c)

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