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19話 実は変態

 まるで予言者のように言ってきた囁かれた言葉。

リゼが言った"時が教えてくれる"ってそんな未来が見えるような言い方……。




((((胡散臭っ!!!!)))




私は占いやら迷信やら信じてない。まして未来を言われても信じるわけがない。

自然と眉間に皺がよる。


「そんなに睨まなくてもアンジュちゃん」


「……別に睨んでませんよ」


「じゃここに皺を寄せなくてもいいんじゃない?」


おどけた笑顔で僕の眉間に指でつつく。

咄嗟に触れられた眉間を隠すように手をかざして、


「眉間に皺を寄せようと寄せなかろうと僕の勝ってでしょうよ!!」


ぷいっと頬を膨らませて言い放ったらリゼは一瞬きょとんとしたがすぐ表情を元に戻し、


「だってカノン~~♪すねちゃった」


「……お前のせいだろ。つうか!!そういうときだけ俺に振るな」


呆れた声で魔王が言った。

まぁ僕もほとほと困っていたけどね。

でもリゼは気にせずというか貴公子的みたいな感じに微笑んでる。


「だって可愛いからついね」


「えっ」


この人アホだろうか?

今の僕を見て可愛いか?どう見ても今の僕の格好は男そのものだ。

多少童顔なのはしかたないけど可愛いとか求めてないし、

きっと頭のネジがはずれている可愛そうな大人なんだろうと哀れんだ。


「あのー。アンジュちゃん。その目線痛いだけど何かなぁ?」


「別に」


こんな痛い大人は本当はほっときたかったが仕方ない。

ここから追い出すわけにもいかないし、第一に魔王も冷たい目線を送っているのに気がつかないのか……。

哀れリゼ。

そんな哀れんだ空気が占める中、まったく鈍感なリゼに対して魔王が嫌そうに口を開いた。


「ところでなぜリゼお前がここにいるんだ?」


ごもっともな質問。

僕も気になっていたことだ。だってこの部屋さっき魔王が呪文を言って開けたのだ。

入れるはずがない。

例外があるのか、レベッカは開けてたけど。


「あぁそれね~やってないよ。出来なかったが正しけどね」


にこやかに答えたリゼに対して魔王はぴくっと眉をひそませ、


「それはどういうことだ?」


「やだな~。覚えてないの朝のこと」


「朝?」


「正確にはアンジュちゃんが出て行った後の話なんだけどね」


リゼは魔王のベットに座ってくすくす笑っている。


魔王はさっぱりだと言わんばかりに首を傾げてる。

でもリゼは魔王が思い出すまで返答を待っているようだった。

僕が出てったあとっていつの話だ。

腕を組んで考えても出てこない。


「アンジュちゃんはわからないと思うな~」


「なんで?」


「だって魔王が着替えてるときに入ったんだよ」


「あっ確かにそうだ」


「へ~。着替えてるって……変態!!」


僕はさっと指を指して言うと、リゼは手を広げて、HAHAHAっと笑い声が部屋を響かせる。


「変態ってひどいなぁ。僕はれっきとした男の子だよそんな魔王を狙おうなんてそんなこと」


「じゃなんでそのとき入ったの」


「チャンスが無かったからねぇ。でもごちでした」


「やっぱ変態だ!!」


僕は絶叫をして思わず近くいた魔王を抱きかかえリゼから遠ざかる。


「魔王。こんな変態に近づいちゃ駄目だ!!」


「……アンジュが言うことじゃないと思うが」


「そうそう。本人が言ってるんだから良いじゃない別に」


「『良くない!!』」


すごい剣幕で言ってしまったがこんな可愛い子が変態に狙われるのは少々というか、かなりと言うか許せない。

すると、抱えられてた魔王がアンジュの顔を小さな手で叩いて、


「大丈夫。この変態はみんな慣れてるから下ろしてくれる?」


「そうそう。ってひどいなぁ~」


「酷くない。この研究変態占い師が!!」


っと抱きかかえていたので表情はよく分からないがなんか魔王もすごい形相だったのかなぁ。

さすがのリゼも引いていたよ。でも笑顔で絶えてみた所をみるとやっぱある意味強豪なのかなぁ。

うん、変態だけど。

大事かどうかわからないけど二回言っとく。それにしても気になる単語もあったなぁ。

なんて考えていたら、リゼが手を上げて。


「で話に戻るけどいい?」


「「どうぞ」」


うんうんと僕らは頷いて話の修正に入った。


「あの部屋の前でアンジュちゃん待ってたでしょ」


「確かに朝ごはんの為に待ってたけど何?」


「実は目の前を通り過ぎてたんだよね~♪」


彼の言っている意味がさっぱどわかりません。

ふふっと笑う笑みがなんだか気味が悪いし。

僕が嫌そうに見つめてやれば、鈍感なのかメンタルが強いのかいまいち謎だが。

リゼは得意そうに立ち上がって、何処に隠していたかわからない小瓶を取り出した目の前に差し出した。


「実はこれさ」


「興味ない」


「どうでもいい」


これと言って興味の欠片もなかったから一刀両断する僕ら。


「ちょっ聞いてくれてもいいじゃない!!」


「リゼ。俺が知りたいのはなぜお前がここにいるのかであって、どんな方法で入ったかじゃないだが」


「でも」


「……」


「カノン!!」


「……」


なんとまぁ無言攻撃ですな。

ある意味辛いかも。

地味に……。

リゼは涙ぐんでいるぽい。

効いてるのかな?

意外にメンタル弱かったなと思いつつ。

その美しい容姿に、黙って見てる分だけなら本当に美人なのに勿体ないなとも思わせた。 魔王も呆れて、


「じゃ簡潔に答えろよ」


リゼは一回こくりっと頷いて。


「魔王の部屋に入って出来たての新作を見せたらキレて閉じ込められた」


「……」


「……」


「あの……カノン?アンジュちゃん?」


決して行為で無言だった訳じゃない。

呆れてものも言えない。とことわざがあるように固まってしまったからだ。


というか………。

この人変態は変態だけど……。


アホっ子の割合が高いだなぁって実感した僕でした。







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