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カワイイ♪

作者: chui
掲載日:2026/02/05

「カワイイ♪」

「めっちゃいいよね♪」

「私もついに飼ったの♪」

右を見ても左を見てもSNS でも、その生物を見ないということはないほど、皆がその生き物を飼っていた。

皆を熱狂させるその生物は、ある国の密林で発見された。


それは丸みを帯びて、もふもふで、可愛らしい目をもち、聞き心地のいい声で鳴き、抱くとどうしようもなく幸せな気持ちになった。

しかもこの生物、単体で個体を増やす事ができる。

丸くふさふさの尻尾が大きくなると、体から離れて別の個体になる。

今までの生殖と全く異るその生物を、生物学者者達は我先にと研究したが、その可愛さにやられて研究にならなかった。

それは研究者だけではなかった。

あらゆる者がその可愛さに、仕事や勉学に向かわなくなった。


それを見て、ほくそ笑む者がいた。

遥か上空、月の裏側のUFOに乗っている宇宙人達だ。

「状況はどうか?」

「司令官ご覧ください。あと一息で制覇できます」

「我々の占領政策は完璧だ。武力を使うことなく侵略できる」

「ですが幼子をもつ家庭では戦果が思わしくありません」

「では、KAWAIIレベルをMAXまで上げろ。これでトドメを刺すのだ」

「MAXまで上げました。これで奴らは食べる事すら忘れて、愛で続けるでしょう」

「カワイイは最強だからな」

「大変ですっ!」

「どうした」

「モッフーの生体反応が消えていきます」

「どういうことだ」

「奴ら…こんなことが…!モッフーが圧死していきます」

「具体的に報告しろ」

「強く抱きしめて圧死、窒息、中には食べられた個体まであります」

「映像をみせろ……なんと言うことだ。ここの連中はこんなにも恐ろしい生物なのか」


司令官が見つめる映像からは、『かわいすきるっ』『ぎゆっっってしたい』『いじめたくなる』『食べちゃいたい』と言った声が響いていた。

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