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第3話 彼女が知ってしまった未来
自覚してしまった。
これは、恋だ。
図書室で、僕は聞いた。
「どういう意味? “未来を持ってない”って」
「私は、誰とも恋人にならない」
端末に表示された数字。
【恋愛成立確率:0.00%】
言葉が出なかった。
「期待するのを、やめたの」
彼女は言った。
「希望を持たなければ、絶望もしない」
「……寂しくない?」
「慣れるよ」
「慣れなくていい」
少しだけ、声が強くなった。
「私に、優しくしないで」
「どうして」
「私が、期待するから」
拒絶だった。
でも、必死な防御にも見えた。
帰り道、僕は決めた。
――未来を、見る。




