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第2話 期待しない方が、楽だよ
未来観測室で彼女と別れてから、三日が経った。
それでも、あの言葉が頭から離れない。
――期待しない方が、楽だよ。
教室に入ると、彼女はすでに席に着いていた。
「おはよう」
「おはよう」
淡々とした返事。
でも、無視じゃない。
それだけで、少し安心してしまう。
昼休み、彼女は一人で昼食を取っていた。
「隣、いい?」
「……どうぞ」
沈黙は、気まずくなかった。
「一人、好き?」
「嫌いじゃない。気を遣わなくていいから」
少し迷って、聞いた。
「未来観測室のあと……変なこと聞いてごめん」
「別に。よくある質問だから」
「君は、怖くなかった?」
「怖いよ。だから、見ない人の気持ちも分かる」
彼女は視線を落とす。
「未来を知ると、今を選ばなくなる人が多いから」
「期待しなくなる、ってこと?」
「うん。傷つく可能性があるから」
放課後、帰り道。
「君って、変わってる」
「え?」
「私に、期待してるみたいだから」
足を止めて、彼女は言った。
「私は、そういう未来を持ってない」
それ以上は、語らない。
でも僕は思っていた。
それでも、君を知りたい、と。




