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レンズノ空 〜Sky at the Lenz, Highly Above〜  作者: 白先綾
シュウ斂「人の夜を」

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Non(0.00)「切り札」

挿絵(By みてみん)

「六は八に蓋をする字形。永遠なんて無いんだよって言葉。呼応夢魔ハイルデモン。シックススディモン、六枚羽根のコイツがアンタの相手だよ。あたしはそうだね、剣士改めボウガン使いでもやらせて貰おうか、亜の六ならぬ完の六として」

 六枚羽根の有る強大な悪魔が召喚された。羽根の一枚一枚に動き回る目玉の有る不気味な存在だ。ここに辿り着く前の城下の段階では手から魔法球を放っていた悪魔達だったが今度のはハンズフリーで魔法球を目玉から放てる様だ。

「なるほど、切り札を切って来たか。ならばこちらも。夢体鎧化エンボディメント。今日この時まで魔力を温存していたのは何も目的無くやって居た事では無い。一時的になら失ったこの身体も取り戻せるのさ」

 フロウは刻みの呪い発動前の肉体を取り戻した。体の各部位に綻びが見られるのでそう長くは持たないだろうがそれでもそれは俊敏な機動性を確保するには十分だった。フロウはまず多重に襲い掛かる魔法球を躱し、羽根の目玉に向け魔力を施したナイフを投擲した。刺さった、がそれではまだ向こうの生命力を脅かすとまでは行かないらしい。

「ちっ、相変わらず可愛げの無い」

 忌々し気にヒトヨが呟くとボウガンの矢をフロウの進行方向手前に放ち牽制する。フロウは進行が止められた事で魔法球のガードに回る。ナイフで幾つか弾く。腕の構成部位が若干ガードのダメージで砂埃を上げる様に細かく砕けているがそれを気にせずフロウはディモンに接近戦を仕掛けに行く。堪らず魔法球乱打を実行するディモンだったがそれを弾くと上手い事ディモンの方に向かう魔法球が生じた。それを本人が喰らい仰け反った所を一閃、右腕側の下段の羽根を一枚切り落とす事に成功した。一旦距離を取るフロウ。

「逃がすか!」

 ヒトヨはボウガンでフロウの足元を狙った。魔法力で維持している幻の左足に矢が刺さり土の玉の様に砕ける。

「くっ」

 砕けた足の欠片を再生魔法で堅持しつつ、フロウは羽根の目玉にナイフでの総攻撃を仕掛けた。全十本、左腕側上段、右腕側中段の目玉をそれは奪い去った。

(私が幾ら頑張っても体の維持、組成に魔力を費やさなくてもいいヒトヨやこの悪魔には勝てる訳では無い。私の役割は以前も今も変わらず足止めか)

「よーす在りし日のフロウ、結構追い込まれてるみたいだが助太刀は要るか?」

「当然だ青年、待っていたぞ。うん? 何か様子がおかしいな」

 ハイズが来た。何となく青ざめているが何かあったのだろうか。

「いや、アーロゥの奴がさ」

 早速の魔法球での出迎えを躱しながらハイズが答える。

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