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レンズノ空 〜Sky at the Lenz, Highly Above〜  作者: 白先綾
シュウ斂「人の夜を」

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No.1「夢の在り方」

挿絵(By みてみん)

「うわー、フロウの旦那こんな綺麗なワープ空間隠し持ってたなんて。前回見られなかった分感動も一入ひとしおですよ」

「そう言って貰えると嬉しい。刻みの地だけに拠らず、なんでも憩いの一要素としてくれて構わないよ。二人はよくやってくれている」

「まあ俺達は俺達で夢の在り方を守る為に自分なりの発想で動いてる部分も勿論有るんだけどな」

「それはそうだよね先生。だから旦那も旦那でやって貰ってるなんて気負いは不要ですよ? 持ちつ持たれつ、三人は運命共同体だ!」

 拳を上げて叫ぶアーロゥ。

「ありがとう、少女よ」

 フロウの感謝の言葉の後、先のアーロゥの発言を受けてハイズが応じる。

「運命と言えばこれからどう足掻いてもヒトヨ軍と交戦する訳だが、ヒトヨの召喚する狩人タイプは悪魔型なんだっけか? いよいよ本丸攻略って感じで今から奮い立ってしまうな」

「まあ、そう構える事は無い。幾ら相手がヒトヨとは言えこちらは三人全員揃っているのだしな。そろそろだ青年と少女、着くぞ」

 サイナン戦前同様の美しい光景がまた広がる。アーロゥは着くなりよしよしとバラ達の花弁を撫で始めた。ヒトヨ戦の後、ここに無事に帰って来れるとも限らないのは三人とも分かっていた、だからそれはアーロゥなりの別れの儀であった。最初の三十日間戦闘(戦争、とフロウが呼んでいるのは三人相手の混戦の方)でフロウと互角に渡り合った相手、しかも今フロウは肉体を奪われた状況だと来ている。そのアーロゥの仕草がハイズには堪らなく切ない物に見えた。彼女はたとえ無事この夢世界での果たし合いを走り抜けたとしても現実に帰ればまた寝たきりに戻るのだ、花弁を撫でて回る事などとても叶わない。夢世界から、また現実的な活動の伴わない夢であって欲しい様な環境へ。

「なあアーロゥ、俺もやっていいかな」

 気付けば口から飛び出ていた言葉にハイズ自身も驚いた。男で花弁を撫でる? どんななよなよしい仕草だ…。

「え、先生も? うーん似合わないなあ。先生はバラの棘の研磨でもしてあげればどうですか?」

「マジかよ…」

「あはは嘘だよ。先生も一緒にやりましょ?」

「あれは思いがけず出た言葉では有ったんだが…俺も男だ、一度言った事は曲げん」

「あーなんかふるい事言ってる~」

 ハイズは観念して彼女の隣で花弁を撫でる事にした。思えば膝枕の時彼女の頭を撫でたが、もう撫でる機会は来ないのだろうなとふと思う。彼女の頭を以後撫でるのは、よく頑張ってるねと彼女の世話をする親だろうか。その時、彼女はどんな気持ちなのだろう。むしろ今の花弁を撫でるこの行為こそが、その親に当たる人物への返答なのかも知れないとそう思えた。

撫でる動作だけじゃなく息吹き掛け花吹雪用の花弁も集めているアーロゥかな それに比べ忠実に花撫でをこなしているハイズで草いや花

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