Non「決戦、サイナン」
「来たか。ハイズ、と言ったか? 短い間だろうが自己紹介だ、俺はサイナン。夢時空における暴れ馬が一人だ」
「ご丁寧にどうも。陽光を否む、だっけか。名前の通りの禍々しいオーラだ」
一足先に門の異界から現世へと帰って来たハイズは待ち構えていたサイナンと対峙する。サイナンは腕の蛇鞭を鳴らしながら既に臨戦態勢と見える。前のシコク戦での遠隔槍の暴走と言う様な事は望めないだろう。
「夢命召喚。こっちもこっちで手加減していたのでは加勢に来られて負けが込んじまうんでね。せめてヒトヨ姐にいいバトンを繋げられる様フルパワーで行かせて貰う」
新規のアンデッド型だ。土の鎧と言うよりはもはや黒鉄と言える鎧を身にまとっている様な出で立ち。切り応えが有るか、とハイズはニヤリと微笑んだ。アンデッド型を挟んだ形でまずサイナンの蛇鞭が右から襲う。召喚したこの鎧の塊を盾としての立ち回りを展開しようとしているらしい。まずはバックステップで距離を取るハイズ。空かさず左の鞭。堪らずハイズはそれを切り伏せるが…。
(切った端から蛇が量産される、だったか…)
鞭の一旦のリーチだったりサイナンの魔力源だったりにはダメージが行くのだろうが単純な絵面としては敵対存在が増えている。ハイズはとりあえず増えてしまった蛇を切り付けようとしたが接近して来ていたアンデッド型にそれも阻まれてしまった。
「こいつ…!」
この刻みの呪いを中心としたフィールドには前回同様端が有るのでこうしてどんどん追い込まれて行くのは形勢上いい方向に向かっているとは言い難い。右のリーチが残って居る方の鞭でサイナンが襲って来る。二、三回やられた所で増えた蛇に左足を遂に噛まれる。毒が巡り出す体。懐から光の果実を取り出すと一齧りする。
「ほう、対策済みか…だがその果実も何処まで持つかな…?」
そう言いながらサイナンは左の鞭の再生を終えた。再生イコール左の千切れた蛇がサイナンの下へ戻る、だったのはまだ良かったがだからと言って状況が好転した訳ではない。まずはこの盾として機能しているアンデッド型に阻まれているのを如何にかしないと。
(待てよ、この巨体…壁際に行く前に転ばす事が出来れば立て直しにえらい時間が掛かるんじゃないか? 相手が攻撃のモーションを取った時にそこに合わせる様な一閃を浴びせ掛ければ体のバランスを奪えるかも知れない。蛇鞭の応酬も有るからチャンスは少ないかも知れないが…)
ハイズは時を待った。そして…動く巨体。右の拳とサイナンの左の鞭か。左の鞭をまた切り伏せるとハイズは蛇と拳を避ける様に左へサイドステップをして今度は思い切り巨体アンデッドの右足を切った。揺らめくアンデッド、更に一押しする様に背中をぶった斬る。堪らずアンデッドは体勢を崩し地面に突っ伏す事となった。
「な…俺のアームロックアンデッドが…!?」
サイナンはまず蛇の腕を認識してくれない事が多く…奇跡のショットに思える もうここまで来るとインベントリ管理で果実取り出したんでしょうな




