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レンズノ空 〜Sky at the Lenz, Highly Above〜  作者: 白先綾
第三連「陽光を否む」

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19/33

No.5「闇の円」

挿絵(By みてみん)

「さてフロウとアーロゥ。今回先陣を切るのは俺としたいんだがどうかね? 前回に倣うと今回もこの日食絵つまり突破口が完成してのタイムラグを残された二人に強いるパターンなんだと思うが、魔力が潤沢であろうと予想される今回のサイナンは強敵だ、恐らく。俺だけで凌ぎ切れるとも限らないがそれでも可能性が多く有る方に賭けたい。フロウは肉体欠如、アーロゥは前回の疲れも有るだろう。条件はこの中では俺が一番揃っていると感じているんだ、行かせてくれ」

「先生がそう言うならあたしは止めないよ、頑張って行ってらっしゃい」

「うむ、それがいいのかも知れん。なるべく早く辿り着くから奮起してくれ青年」

「おうよ、では…」

 そう言うとハイズは壁に最後となる右足の接触を試みる。日食絵の完成、フロウが体当たりする事で描き出していた月部分が光を放ち、ハイズの右足を固定する。何かが今までと違う、そしてフロウの出口へのアンテナにもまた二点、新たな別所の壁に引っ掛かる物が出て来た。

「あ、滑る奴無くなってるね、行けますよこれ旦那」

 アーロゥもそう気付くとフロウに指示を促して来る。フロウから見てほぼ等距離、別々方向にその二点は有った。

「少女よ、滑らないで済むのなら話は早い、あの二枚が向かい合わせで立って居るその向こうの一枚を超えた所に有る一枚で脱出を図って貰えるか。仄かに光っているから分かり易い筈だ、私もすぐ後を追う」

「相合傘ーあっ」

 アーロゥは膝枕を思い出し少し気まずそうにハイズの方を見やるととことこと目的の壁に向けて走って行った。

「あいつ恥ずかしい事言って自滅してやがる」

 ハイズもハイズで甘酸っぱい心境の遣る方無しと言った様子で右足の解放、つまり現世への呼び出しタイミングを待っている。

「微笑ましい物だな。では青年期待している、何よりもその無事をな。奴の蛇の腕から成る鞭は切り捨てても単独の蛇として再生するのは前も話したと思うがとにかく噛まれる機会を減らす方向で考えてくれ、託した果実も有限だからな。では行って来るよ」

「了解、じゃあお先です」

 フロウも数枚壁を隔てた所に有る目的の一枚を目指す飛行を開始した。滑る事の無い久方ぶりの安定飛行だ、この門の異世界での事の終わりを告げる物とも言えるその事実はフロウの心をたかぶらせる。ハイズとサイナンの一騎打ちを自分の死闘と置き換えて考えてみる。ハイズは狩人狩りで修練を積んだとは言えシコクより魔力回復の間に合っている筈の手練れであるサイナンの猛攻を耐えきれるだろうか。この夢幻想合戦での大一番となる可能性もあるな、と予期しながらフロウは光の壁に辿り着く。日食…月光が我々とした時の闇の円がサイナンか、どう言う顛末になるか分からないがなんとか攻略して闇の円を貫ければと願わずには居られないフロウであった。

日食(迫真) 氷の壁では無くなってる感じも出たかな 剣の鞘…

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