No.3「氷の空間」
再度闇の異空間に到達する。シコクの時は水たまりエリアだったが今回はどうか。
「滑る滑る~」
緊張感の無い声がする。例によってアーロゥだがそれはフロウには分かり得ない事な筈だった、滑る為に接地している面が無いのだから。だが…。
「うぐ、これはいかんな。一旦動こうとするとその慣性を奪われて自分の意志とは関係の無い方に引っ張られて行ってしまう」
「なるほど、前回が水たまりなら今回は空間全体が氷の表面で出来ているとでも行った塩梅か」
それでもフロウは動きを最小限に留めて居たのでなんとか静止出来た。
「あ、壁が有るね、止まれるかも」
そう言うとアーロゥは壁にタッチした。
「あー、手が離れないや、止まれはしたけどそのまま捕らえる為の壁だったか」
「これが前回の水たまりの影縛り代わりと言う訳か」
水たまりが縛ったのと同じ位の時間はアーロゥの手は離れない様だ。前回の様に一蓮托生で彼方へ此方へと行って壁に捕らえられたのでは動きに自由の効かない今回距離が離れ過ぎて連携が取れなくなると困るのでハイズとフロウはそのまま待機してアーロゥの解放を待った。
「ここも時間の流れは急速なのだとして、時間稼ぎ装置としては前回よりも厄介そうだ、身のこなしがこうも不自由なのではな」
「しかもマンツーマン状況をまた狙っていると見えるよな、まあどう出るのかの見通しもまだ立って居ないんで考える事じゃ無いかも知れないが」
フロウとハイズのやり取りを聞きながらアーロゥは暇な間ポケットから果実を取り出して自由な右手でポンポンと軽く放り投げて遊んでいた。それを見たフロウは魔法力を行使して果実を光らせた。驚いてアーロゥはフロウの方を見やった。
「すまんな驚かせて、今のうちに仕込んでおいた方がいいと思ってな。その光る果実を齧れば解毒になる様にした。私が蛇毒使い相手に立ち回れたのは自己解毒能力が備わっていたからだ。三十日間のやり過ごしの役回り的には私の能力は言わば必要な七つ道具が全て揃っていた様な物だったのでね」
「おーこれはこれは有り難いけど、有り難くなる状況には追い込まれたくないと言うか…ほい先生」
投げて遊んでいた果実を近くに居るハイズの方に放り投げる。
「あサンキュ」
「あたしは二個丁度持って居るからね、そっちも光らせて貰えば誰が最初に不運な蛇毒使いとの”災難”ランデブーに巻き込まれてもオールオッケーって訳」
アーロゥがもう一つを取り出すとそれにもフロウは魔力の解毒仕様を施した。アーロゥは宝石でも扱う様に一旦恭しくそれを掲げると、丁重にポケットに収めた。ポケットを貫いて光の果実はその存在を誇示していた。
このシーンで氷の壁以上の物を望むのは難しいでしょう てか武器失くしてしまったんですか、果実、齧ってしまったんですか!? このサイズ感で二つ何処に持ってたのかは謎 足の飾りが一見まともに出力されてるのに逆なのは左右反転したから 封じられたのは左手ですからね




