No.1「虹のワープルート」
「へぇ、夢見がちな心の色だな。刻みの地の造りでも思ったけどロマンチストか、フロウ?」
「否定は出来んな。わざわざ単騎で悪鬼三人の猛攻を凌いだ所作にはこれ位の強度の眩い精神的色合いが必要だった、とそう言う事なのかも知れん、自画自賛に過ぎる面は認める」
「いやいや、この決戦に至るまでにもそもそもアンタの孤軍奮闘が居なきゃ始まらないからな。よっ、光の勇者様ってなとこだ」
「そう言ってくれると私の幻肢痛とでも言うべき物も何処か薄らいでくれる様な気がするよ」
その虹のワープルートでのやり取りに参加するもう一人は居ない。既に眠ってしまった様だ。
「よく眠れるなこんな突飛な環境で。よっぽど疲れたんだろうな」
それによく見るとアーロゥは半透明化して居た。
「お、おいおいこれ大丈夫なのか? 触れはするけどもうこのまま元に戻らないとかじゃないだろうな」
「その時はこちらの敗北を覚悟しなくてはならないな。何にせよ亜の六少女は現世との繋がりの下にテレポートを成している以上、これもその一環だと考えるのが自然なのではないか。きっと少女は帰って来る、その時を待とう」
「まあ、時間はまだ有るとは言えるのか」
「ああ、あと二十二日ほどだ。あの異空間で四日我々は費やしている」
「四日!? マジですか、とんでも無い呪術空間に囚われていた物だな。シコクは試合に負けて、勝負に勝ったって事か」
「サイナン、引いては最終攻略先のヒトヨへの体の良いアシストになってしまった感は有るな。そろそろ出るぞ、刻みの地だ」
見覚えのあるバラ園が目の前に広がる。ハイズは花壇横の通路に座りアーロゥを優しく自身の膝枕の上に寝かしつけると、頭を撫でてやった。
「よく頑張ったな」
初めて会ってから、一週間ほどか。にわか作りのパーティでは有るが、彼女は現実には寝たきりと言うステータスを思わせない位に人懐っこく、愛らしかった。寝たきりでやりたい事、思い描いていた事がそのまま発露している、そんなともすれば切なさも感じさせる印象が彼女には在った。完全昏睡者はまず昏睡を経ての選ばれし者、つまり昏睡前は基本健常者だがアーロゥはそうでは無かった。寝たきりと言うステータス持ちとしての現実での立ち位置の夢世界との境界の怪しさ、それが彼女の複雑な在り様を演出している。この決戦舞台の夢時空ではほぼ現実での立ち位置は関係が薄いのでハイズは自身がどう言う人生を生き、どう言う考えの元に人生を切り開こうとしているのかと言う次元から遮断されている。狩人斬りの可能な大剣の使い手、大まかにはそれが彼を占める割合の全て、きっとこの夢が首尾良く行って無事醒める時が来るのであればアーロゥともフロウとも別人同士だ。それでもなんの因果か完全昏睡の五人として選ばれたからには、アーロゥの身の上の不幸は幾分か解消してあげたいとそう心に秘めるハイズなのであった。
これ一応太ももの甲冑外した立ち絵から出力してます まあ膝枕そのものにはならなかったけど睡眠の過程のバリエーションの絵としてはおk 虹のバラはちょっと描けなくても許してちょ^^; 多分花畑を描くにあたってグロガの果実と訳が違って来るので いや試して無いんですけどねそもそもw




