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レンズノ空 〜Sky at the Lenz, Highly Above〜  作者: 白先綾
第二連「黒に至る」

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14/33

Z「至黒城を後に」

挿絵(By みてみん)

 フロウがようやく(夢時空の)現世に戻った時、シコクは既に事切れて居た。門を潜る前から四日経っている、と刻みの呪いの体感での残日数で分かった。強化兵との戦いに費やしたのが丁度一日ほどだから合算して、あと二十二日程度か。

「お久旦那。また会えたね。シコク嬢は遠隔槍のコントロールを誤った感じで自分で自分を刺して果てちゃったよ、後は見ての通り、緋色の煌めきを宿している旦那と対照的な黒炎状の魂みたいな精神体化してる。まあうんともすんとも言わない状態だけど」

「御付きの告死天使・極だかの方はシコクの自爆と同時に消えてしまったが結構暴れ回ってたな。俺が右の翼を切断したら憤怒して残った左翼でジャンプ兼羽根の矢攻撃を矢継ぎ早に繰り出すもんだからシコクと相対しているアーロゥの方に手助けをする暇も無かった。その後の展開が呆気なかったから助かったが」

「そうだよね…あたしが精神体化していても良さそうな展開だったと思うよ。つくづく至れり尽くせりのラッキーで生き永らえたと言うか」

 遠隔槍の魔力暴走…シコクが用意出来なかったのは牢獄の術式に伴う魔力消費の欠落補填、か。術式自体は完成度の高い物だった、だがその高さ故それが突破された後に余裕を残せなかったのだ。ハイズに次ぐ私の合流への焦りも有っただろう、本気を出し過ぎ空回りし結果せめて私に死に様を見せない、と言う精神的勝利法に落ち着いたか、とフロウは結論付けた。

「私もそうだったがあと二、三時間は精神体としての産声を上げるまで掛かる、彼女の事はもうそっとしておこう。私の肉体を奪った恨みは勿論有るがそれでも昏睡しているリアル側の肉体を失わせられたと言う事では無いしな、彼女もそうだろうが」

「あ…あれ?」

 アーロゥが隣に居るハイズの方に倒れ掛かる。慌ててフォローに入るハイズ。

「お、おいどうしたんだ」

「あーはは、これ魔力の使い込み過ぎだね、あたしだけでシコク嬢をやり過ごすのは一筋縄じゃ行かなかったから限度超えてテレポートし過ぎちゃった、かな」

「なるほど、孤独な人知れない戦いが有った訳だ」

「少女の容態の事も有る。刻みの地までの魔力の道は未だ健在の様だから私も亜の六少女では無いが帰還のテレポート術を披露しよう」

「そんな事が出来るのか」

「うむ、刻みの呪いのエリアと刻みの地は属性的に私のテリトリーと言っていい。近しい二点間の移動に限れば可能だろう、徒歩で戻って居たのでは埒が明かない面も有るし。仮にもし対シコクが発生したとしてもそれなりに有利に立ち回れた筈だ、まあ攻めの決定打が無いこの体で生き永らえたとて青年と少女無しでは立ち行かないのは目に見えているがね」

「へへ、タクシー代はもう無いですよぉ…お小遣い全投入しましたからぁ…」

 半分夢見心地でハイズの手の中に倒れこんで居るアーロゥが健気に答える。

「タクシーと言うか、救急車だろうけどな。でどうすればいい、フロウ」

「青年の手を私の体に入れてくれ。少女の方はいい、青年と繋がってさえ居れば問題無いからそのまま寝かせておくと良い。心配しなくていい、これは炎形状の幻でしかない、火傷をすると言う事は無い」

「分かった」

 ハイズがアーロゥを支えて居ない方の左手をフロウの体に突っ込むと温かさが伝わって来た、その熱がそのまま急加速で体感温度を上げると言う様な事は無く比較的一定の具合の良さで、なんとなく母胎に包まれていた時の記憶が残っていたとしたらこんな物なのかも知れないと思わせてくれる様なそんな心地良い感覚だった。そしてその感覚を維持したまま、目の前が虹色の世界に包まれた。刻みの地の色とりどりのバラ園を思い出す、これはフロウの精神世界の色合いで、そしてそれがそのままワープルートなのだろう。こうして三人は至国城を後にした。

バラは無くてもなあ まあ今後の刻みの地への期待感と言う意味での演出かな あとフロウがここぞとばかりに緋色化しましたね グロガの四つポケばりにフロウと言うキャラの姿が出力時に記憶の中で曖昧だったのでこんな事に 要所要所力を発揮する時は緋色化するんだとでも好意的解釈して頂ければ

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