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レンズノ空 〜Sky at the Lenz, Highly Above〜  作者: 白先綾
第二連「黒に至る」

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No.4「黒の水たまり」

挿絵(By みてみん)

「あれ、月の無い水たまりだ」

 あれから無駄に動きのまとまりが無いアーロゥが三回、大剣分の余剰の影が足手まといとなっているハイズが二回、初回を作ってしまったフロウが執念の零回の影縛りのきっかけ作り(つまりハイズが述べた通り誰かが嵌ったら全員余剰の水たまり除去の意味も込めて嵌った)を記録していたが、ここでアーロゥが四回目は流石にどうもと思っていたのか注意深く異質な水たまりを察知した。

「うん? ちょっと見せてくれるか」

「なんだなんだ」

 二人の男性陣が寄って行く。確かに真っ暗な反射面だ、この世界を表していないかの様な。フロウは六回の合同影縛りを経て疑問符が大きくなっていた所だ、果たしてこのシコク現在地へのアンテナのゴールは何処なのか? 何処かに現実世界へのアクセス手段が生きているからこそのこの闇時空からの出口に向けての信号なのは分かるが出口と言う物への具体的イメージが湧かなかった。これがそうだと言うのは考え過ぎでも無いか、至黒シコクの支配下において「黒に至る」事が出来れば解放されると言う様な発想は有ってもいい。だが待てよ。フロウは心の中で胸に手を置いて考えた。敵の共闘を阻止したのであればしてやられた敵側もまたあわよくば同等の状況をと目論んでいても不思議はない。この水たまりが三人の影を吸う性質の物で無いのであれば、今後最悪のケースとしては独りだけが解放され続け各個撃破されてしまう可能性も有る。研ぎ澄ませ精神を、この水たまりと言う個性を認識した今なら出来る筈、出口からの隙間風が流れ込む特異な水たまり、これは後二つ無くては恐らくおかしい、探すんだ、心に宿すアンテナで。見つからなかった。無かった、と言う事か? もしかして、この黒の水たまりを分かり辛く三つに分離すると言う程向こうのこの牢獄構築の術式が完璧な物でない、と考える事も出来る──何故ならいの一番に攻め入ったシコクには状況を万全とする余裕はあまり無かった筈だから。それでもタイムラグでなんとか共闘状況の破壊を可能にする状況設定…ああ、フロウは何となく見えた。彼我での流れる時間密度の差…もう、時間稼ぎの目的自体は多分終わっている。この黒の水たまりは出口だろう、だからと言って変にタイムラグを持たせて影縛りをさせたのではきっと駄目だ、何故ならこの異空間は時間の流れが急速なのだろうから。向こうが三十日と言う拘束期間をどうにか縮めると言う手段に出るなら方法は一つにそれだ、交戦したフロウだからこそ自分のやった事を相手側から逆算してみて辿り着ける解であった。だがその考えではまだシコクのはかりごとの全容には到達していなかった。

「二人とも、同時にだ、なるべく同時にこの水たまりに影を入れるんだ」

「影を?」

 と言いながら少しアーロゥが頭を振ったのが災いした。頭の影が水たまりに触れた瞬間、水面の月が何処からともなく現れた。

ハイズなんか地面にめり込んでね でも出力した中では優秀だった感のある絵

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